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12月2日のパンと何かいいもの。

2003年からBread Journalを書いている。
最初はAll Aboutのガイド日記というコーナーだった。
3年間は何があっても毎日書くと決めていた。

それから11年。毎日ではないにしても、続いていることに驚く。
過去11年の今日を振り返ることができるのがおもしろい。

読者の皆さんにとっても、おもしろいかは、わからないけれども、
過去の12月2日をピックアップしてみます。


2003年 

どこのパン屋さんに行っても、大抵いつも買う予定にしている、

一番気に入っているパンがある。
ZOPFでは無花果と胡桃のパン。初めて行ったときから

宅配で頼む時も必ずなので、店長やりえさんにも笑われてしまう。

今、ベストパンの投票ではパンの名前も書いていただいている。
集計していくと、この店のこのパン、という人気のパンが

見えてくるところがおもしろい。

流行ではなくて、その店ならではの不変の人気パンがあるというのは素敵。

 

※「All Aboutガイド日記」だった頃。11年前なのに今とあまり変わらない。
ツオップは、今ではベストパン殿堂入りしています。

 

2005年

書籍を出版しました。
『おいしいパン屋さんのつくりかた』といいます。

「パン屋さんを始めたいと思っている方に向けて本をつくりませんか」と
出版社の方にお話をいただいたのは今年の夏の初めのことでした。
その方が、タイトルをつけてくださいました。

夏から秋の終わりまでが、夢のように過ぎていきました。
ひとりで取材して、写真を撮り、文章を書きました。

 「おいしいパン屋さんにはひとを元気にするチカラがあります。
パン屋さんからもらったチカラで、そのチカラについて書きました。
それはどんな仕事にも使えるものでした」
先日のメールマガジンに書いた通りです。

この本によって、たくさんの方にそれをお伝えすることができたら、
ほんとうにうれしいです。

 

※最初の本を出したのはこの頃だったか。本当にうれしかった。
『おいしいパン屋さんのつくりかた』には実は副題がついていて
10stories of Happy Bakersという。
2014年の今なら、わたしはどんな10storiesを書きたいだろう。


2007年 

アンデルセンのホームページで、「パンを楽しむメニューコンテスト」の
受賞作品が公開されました。わたしの作品も。
先日、その様子が広島のTVに映ったのですが、緊張していたはずなのに、
「もう、ここにいるというだけで夢のよう!」と楽しんでいる様子でした。
不思議。

夢といえば。

広島に向かう途中、夢のように美しい風景を見ました。

まだ暗い早朝だったので、鞄の中に大好きなデーツとイチジクの甘めのパンの
バターサンドを朝食用にもって出かけました。

飛行機の中でそれをおいしく食べながら見下ろすと、

見渡す限りの青空と、眩しく光る雲と富士山の頂上だけがそこに在りました。

生まれて初めて飛行機に乗ったとき、

「雲の上はいつも晴れなんだ」と思ったことを思い出しました。

 

※受賞作はクルミのバゲットにアップルフィグシナモンと

デンマークの白カビのチーズと栗の渋皮煮をサンドしたものでした。

そろそろ、アップルフィグシナモンの季節。


2009年

何でも早く、手間をかけずに簡単に、便利にすませているのに、

なぜかみな、ますます時間がなくなって、忙しさが加速している気がする。

ミヒャエルエンデの『モモ』に出てくる時間泥棒の男たちの存在を

感じずにいられない。

そんな世の中に、せめて大切なひとたちと、おいしいものを囲んで

愉しむ時間を、温かい気持ちになれるひとときを、少しでも

取り戻すきっかけをつくれたらいいなと思う。

今年も、ブレッド&サーカスにお願いして、お取り寄せのセットを
作ってもらいました。

記事に書いたとおり、限りがあるものです。でもそれは当然のこと。
毎日行列のできる小さなお店で、時間という素材を豊かに注いでつくられた
おいしいものに、どうか愛情とご理解を。

 

※毎年、ブレッド&サーカスに読者のためのお取り寄せセットを

お願いしていました。あのパンの圧倒的な幸せ感、誰かと共有したくなるんだ。