Signifiant Signifié 10th Anniversary

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シニフィアンシニフィエの10周年記念パーティへ。
志賀さんのお仕事を眺めていると、国産小麦へ、医食同源へと向かい、究め続けられている10年かなと思います。驚いたり感嘆しているのはこちらばかりで、志賀さんはいつも淡々と、飄々とされています。

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今から11年前に出した本に、「志賀さんの長時間発酵バゲット。これほどまで職人の名前とともにパンが語られる例を他に知らない。長時間発酵という言葉をよく耳にするようになった今でも、志賀勝栄さんのバゲットは他にない個性的な魅力を放っている」と書きました。

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今日はそんな志賀さんの新作「120時間発酵バゲット」に感動しています。「わたし、今、すごいものを食べているかも!」と思ったのです。砂糖が入っているわけではないのにほんとうに甘い。甘い、と書いてうまい、とも読みますが、あまくてうまかった。小麦粉と水と酵母と塩だけでつくられていているシンプルなものなのに、なんという個性。世の中にはさまざまなバゲットがあって、そのなかでもまだこのような出合いがあるから、興味が尽きません。「こんなの初めて!」と声をあげてしまうようなバゲットでした。「120時間発酵バゲット」は来年発売予定だそうです。

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自分の話になりますが、
先日、ある集まりで「この仕事をどのくらいされているんですか」と若い方に尋ねられて、「16年くらいかな」とお答えしたら、「16年!長いですねーーー」と言われました。「長いですか?」と言いながらも、その方の人生の半分くらいかもしれないと気づき、いつの間にか年を重ねたなぁと思いました。あまり進歩していないですが、有り難いことです。昔、取材させていただいた職人さんの今のご活躍をうれしく眺めることができ、おなじ時代に生きていてよかった、と思います。

さて、感動をひとりじめしていないで、来年は志賀さんのバゲットについて、きっちりレポートしたいと思います。