パンのペリカン四代目 渡辺陸×ペリカンカフェ店主 渡辺馨 「守るものと変わるもの」
10月3日、神楽坂のla kaguにて、新潮社主催のイベント、パンのペリカン四代目 渡辺陸×ペリカンカフェ店主 渡辺馨 「守るものと変わるもの」進行役を務めさせていただきました。
(c)新潮社写真部
ペリカンカフェオープン、書籍『パンのペリカンのはなし』出版、そして7日からの映画公開『74歳のペリカンはパンを売る』と、今、注目のパンのペリカンの歴史やそのパンのおいしさの秘密に迫ろうというイベントでした。
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ペリカンの四代目、渡辺陸さんのひいおじいさん、武雄さんは1920年代に木挽町でミルクホールを経営しています。この時代の東京に行ってみたいなぁとよく思います。1942年にペリカンの前身「渡辺パン」を開業。この頃はまだ、いろいろなパンを売っていた。食パンとロールパンに特化するようになったのは1957年、おじいさんの多夫さんが会社を設立し、屋号を「ペリカン」にした頃です。
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守るものと変わるもの。
『パンのペリカンのはなし』のなかで陸さんは、変わらないために世の変化に逆らうのではなく、変化にうまく対応することが大事というようなことを書かれていて、わたしはそれで、京都で300年続く料亭のご主人が大切にしている芭蕉の言葉を思い出したのです。
不易流行。時代に応じて変化していくことが、時代を超越して不変なるものとなっていく、という意味です。それはペリカンでいえば、販売の形態も時代に合わせて変わってきたことのひとつです。
というような話とともに、今のペリカンを支えるお母さんの馨さん(ペリカンカフェ店主)、ペリカン史の先端にいる陸さんと、ペリカンの魅力についてあらためて考えました。
世の中は目まぐるしく変わっていきます。パンはなにかとブームにされがちで、
でも私はペリカンは、最初に訪れた時から、町のお豆腐屋さんのようなものだと思っている。みんなで守らなくてはならない大切なもの。
映画をきっかけに陸さんはペリカンの歴史や魅力をあらためて知ったり、確認されたといいます。映画に本にと「出過ぎですよね?」という陸さんに、でも、それはひいおじいさんやおじいさんがいま、頑張れ、と肩をそっと押してくれているしるしではないかと思う、とお伝えしました。
ひいおじいさんから続くパン屋さん。おじいさんが決めた、おいしい食パンとロールパンだけをつくる、ということ。みんなでがんばって手をかけて、大切に守り続けているものは、同時に、みんなのことも守ってくれているような気がしています。
ペリカンの歴史やパン、ペリカンのパンを愛する人たちについてもっと知りたい方は、映画や本をぜひご覧ください。
発売中のDiscover Japan_FOOD 『いま、美味しい ニッポンのパン』では、ペリカンが愛される理由、パンの製造工程を始め、ペリカンカフェについてなど、記事を書かせていただいています。こちらもぜひ!
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