dbベーカリーのこと

エイプリルフールにすっかり騙されてしまいました。

それはとあるベーカリー紹介記事。
とてもおいしそうなパンの写真が載っていたのです。

パンはどれもこれもびっくりするほど大きなサイズで
パンを焼いているのは、とても大きなご主人で
小さな店にあるのはFAXとメニューだけだというのです。
注文するとすぐ近くの作業場からパンを持って来てくれるとか。

大きなサイズのパンはクラストのがっちりした、よく焼けたパンたちで、
大きな分、クラム(パンの中身)もたっぷりありそうで、こういうのを
スライスしてトーストしたら素敵だなーと思ったのです。

初めてそこで買い物した人は布の特製パン袋がもれなくもらえると言います。
普通の紙袋では入りきらない大きさなのだそうです。
それもシンプルでいい感じの袋。dbというロゴも素敵。

どこにあるパン屋さんだろう?早速出かけて取材させてもらおう。楽しみ!

でもその記事のどこにもお店の連絡先や所在地が載っていないのです。
・・・・?

そして気がつきました。この記事は「クラフト・エヴィング商會」という
架空の作品を作る人たちの、ひとつの完璧な作品であったことに。

素敵!と思ったものが現実でないと知った時、がっかりなのだけれど
いい夢を見た後のような気分になりますね。
こんな気持の良い騙され方は、初めてかもしれない。

「おなかがぐう」小さなお店の小さなメニュー
クラフト・エヴィング商會
毎日新聞社刊 「おいしい朝ごはん」より)