パン屋さんをつくりました。

大正15年創業、川口の地で3代続くパン屋さんが、高層マンションの1階に新装開店した。

市の再開発で街の一角が新しく変わり、商店街は同じ箱の中にきれいに並べられたようになったけれど、その箱の中で、この昔ながらのパン屋さんの特徴をいかすべく、大正モダンなイメージで、でも現代らしいミニマムさで設計と施工をさせていただいていた店舗。

パンはコッペパンとか、レーズンブレッド(ぶどうパンと呼びたい気持ち。)
それから蒸しパンが人気。
四角い木の蒸し器のあるパン屋さんを取材したことはまだなかったかもしれない。

今日は雨なのに途絶えない客足に、家族みんなで繰り出した厨房も大賑わいだった。

昔は和菓子も扱っていたこの店。
その時代、2代目のところへお嫁に来た奥さんは、孫たちを眺めながら
「昔のお節句を思い出すわぁ・・・みんな、知らないだろうなぁ」と懐かしそうにしていた。

お祝いに出かけただけだったのに、そんな雰囲気の厨房で取材を始めてしまった。
わたしの知らなかったパン屋さんがここにあった。