NICOLAS@水海道

今日は水海道のパン屋さんを取材。
ちょっとこれは感動した。

パン職人の杉山さんが以前、半蔵門のミュゼで
半年間だけパンを焼かれていた時
わたしは彼のパンを本当に美味しいと思っていたけれども
地元で開業された後は、なかなか店を訪れることができないでいた。
簡単に行かれる距離ではないので。

今日やっと訪れた、手作り感漂う内装の店は、センスがあって
のんびりした空気がサンフランシスコのパン屋みたいだった。

取材に同行してくれた某シェフとわたしが工房の中で
かわるがわるする質問に答えながら、
杉山さんはミキサーを回し、パンを成形し、
生地をホイロに入れ、窯に入れ、窯から出して運び、と
踊るみたいに仕事をしていた。決して焦らず。

わたしたちはお邪魔していながら、
自分の知っているやり方と違うとか
何か(例えば残された生地など)が忘れられてしまうのではとか
時々心配な気持になったけれど、それはもちろん取り越し苦労で
そこには彼のやり方、法則があって、
工房の中で杉山さんと酵母の呼吸はぴったり合っているのだった。

窯にはいつもパンが入っていて、窯の外にあるいろいろな生地たちは
ゆっくり呼吸し、発酵し、すべてのタイミングを杉山さんだけが
把握しているのだった。

久しぶりに食べたそのパンは、店の名前が変わっても
やっぱり杉山さんのパンだった。