ラ・フーガスの工房で過ごす一日

朝から晩までパン屋の工房で過ごす。
冬に創刊される某誌の企画で
家で作る自家製酵母のパンの行程を取材した。

一般的に「天然酵母のパン」と呼ばれるものを
なんだか体に良さそうだと思うひとは多いだろう。

名前だけで良いかどうかはとても決められない
と、わたしは思う。

わかりやすい名称というのは許容量を持ち
本質を離れてしまうこともあるだろう。

わたしは、本質にこだわりたかったものだから
この仕事は大変なことになった。

慌しい毎日の中で、手間と時間をかけて生み出されたもの。
それこそが、この企画のコンセプト。

ひとりで受けるパンの講習は、贅沢で貴重なひとときだった。
本当に勉強になった。

そして、とびきり美味しいパンが出来上がった。
大変だけれど、嬉しかった。

これから、パン屋の仕事を家の仕事に翻訳しなければならず
それがまた大変そうだけれど
楽しんだ仕事は、人を楽しませる力も持つと信じている。

梅が丘のラ・フーガスは先日10周年を迎えたそうだ。
今回わたしの希望を聞き入れ、実現してくださった
パン職人の仁礼さんに、心から感謝。