変わりゆく惣菜パンの世界

プロ向けにパンの基本生地とバリエーションのレシピを紹介したコム・シノワの西川シェフの「パンの教科書」に面白いことが書いてあった。
バリエーションをつけるためにたっぷり入れる野菜や果実などの素材の味を最初に出すか、余韻として出すか、ストレートに楽しむかなどによって量や形が変わる。形は巻き寿司のように巻き込んだり、散らし寿司のように練りこんだり、鉄火丼のようにのせたり、と。
料理人の心を持ってパンを焼くシェフならでは。

常々美味しいプレーンなパンさえあればいいと思っているけれど、この本を見てバリエルージュやフィグオランジュ、シェフがよく用いる春菊のリュスティック、黒ごまの角食やオレンジピールの入ったかぼちゃの角食、野菜をたっぷり巻き込んだフォカッチャに食指が動かないといったら嘘になる。
そんなパンのある食卓は、どんなふうにコーディネートしよう。普通のパンと違って合わせるものも限られてくる。ワクワクする!

作る側の勉強をしようと思ったのに、食べることばかり考えている自分が可笑しい。

お惣菜パンの世界もこうしたシェフの活躍によって、随分変わった。

今週末は日刊ゲンダイの週末特別版で東京の大人の惣菜パン特集があり、美味しいものをセレクトさせていただきました。
東京に限られたので、コム・シノワは挙げられなかったのがちょっと残念でした。

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