魔法のような素材でつくるサンドウィッチ

日本ではまだ業務用で一般的には流通していないQimiQ(クイミック)という素材がある。
乳製品とゼラチンで作られた、気になる食品添加物無添加の素材。

それを使ったサンドウィッチのデモンストレーションのお誘いをいただいたので出かけた。

オーストリアではスーパーマーケットなどで主婦も買えるというこの素材は、10年くらい前に二人の先生によって調理の現場で生まれた。

常温ではクリームのような様子、冷蔵するとババロアのようになるので、例えばペッパーシンケンなどとミキサーにかけてから生ハムをしいた型に流しこみ、メロンのキューブでも落としてから冷やしたら、素晴らしいテリーヌが出来上がる。

簡単な上、QimiQの脂肪分は15%で、しかもちゃんとクリーミーだから画期的。

たとえば、インド料理でキュウリのさっぱりしたサラダ、ライタというのがあるけれど、それとタンドリーチキンをサンドウィッチに一緒に挟もうなんて、普通あまり考えられない。
理由は野菜やヨーグルトの水分でパンがびしょびしょになってしまうからだけれど、QimiQはバターみたいに素材の水分のパンへの移行を防ぐ。その上、素材と(油とも酸とも水とも、そしてハーブやスパイスとも)よく混ざり、各特徴を際立たせたまま、まとめてくれる特性がある。

オーストリア人シェフのデモンストレーションはマジックショーのように楽しかった。
実際魔法だったのかもしれない。

新しい素材についてはいつもコンサバティブな姿勢だけれども、今日はすこし違った。

一般家庭に来る日はもう少しかかりそうだから、未来のパンの友達になってくれそうな素材だと思った。

今日のピックアップ: QimiQ販売元 豊年リーバ