実家から持ち帰ったもの
金柑を蜜煮にした。
これでおいしいタルティーヌができる。
レシピをすこし書きなおした。
おいしい、という言葉に
それをつくる過程への想いがプラスされる。
光の記憶、生まれた土地の匂い、母の手。
祖母がいなくなった実家で
母と、きものに風をあてた。
きょう、帯を締めようとして
うまく結べなくなっていることに気がつく。
帯締めをからげる祖母の指先が目にちらつく。
いつのまにかこぼれ落ちてしまった
たいせつなもの。
なんとかしなくては、と思った。
今日のピックアップ: 金柑蜜煮はここでもつかいました。