クープ・デュ・モンド代表選手決定
結果発表の瞬間はカメラを構えていましたが、胸がいっぱいになってしまいました。
どの職人も、ものすごく真剣にパンをつくっておられたのを、毎日のように見ていたからです。
選考会では連日、制限時間になると拍手がおきます。ぱりっと白いコックコートに身を包む歴代の選手やフランスのMOF職人など、審査員が一列に並ぶ席に、選手はできあがった作品をもって見せてまわります。その瞬間、朝から漂う緊迫感がほぐれていく感じが好きでした。
協議をかさね、悩みに悩んでパリ本選に送りこめる選手を選んだ、という審査員のかたがたの表情には、でも、今日の発表までずっと厳しさのようなものがありました。
伝統の製法を継承しながらも、新しい感覚をとりいれたもの。
ものづくりの本来の姿勢として、つくり手の自己満足ではなく、食べるひとのことも考えたもの(飾りこみすぎて生地を傷めたり、風味を損なうようなことがないもの)。
それをどの程度までもっていけるかが選手の完成度。
そんなお話を審査委員長の児嶋さん(アンデルセン)に伺いました。
接戦だったそうです。
(戦……だったんだなぁ。この緊迫感は)と、あらためて感じました。
ものづくりに真摯に向き合う職人の姿には尊いものがありました。
さて、日本代表選手となられたのは
バゲット、パンスペシオ部門 ドンクの西川正見さん。
ヴィエノワズリー部門 帝国ホテルの渡部賢一さん。
飾りパン部門 神戸屋レストランの山崎彰徳さん。
彼らが心からほっとうれしい気持ちは今日だけなのだと聞きました。
明日から本選までの1年間、多くのひとの多大な期待を背負って
腕に磨きをかけていかなくてはならないから。
わたしも、彼らをサポートする多くのひととともに、応援していきたいと思います。
今日のピックアップ: 2008クープ・デュ・モンド