蜂蜜についての告白
数年前。
蜜蜂が一生のうちにつくることができる蜜はスプーン1/12杯、
と米国の蜂蜜協会で言っていたことに、たいそう心を動かされた
わたしは、その日パンにつけたスプーン1杯の蜂蜜のことを、
12匹の蜜蜂と養蜂家のコラボレート作品
と日記に書いた。
そのことをあらためて本の原稿に書くと、編集者に
「日本ではスプーン1杯が通常のようですよ」と指摘されたので、
(働き者の日本の蜜蜂たちに叱られないように)
訂正せざるをえなかったのだけれど、どういうわけか
12匹の蜜蜂と養蜂家のコラボレート作品
という文章の、消したはずの「12匹の」が、消されずに
残ってしまった。はずかしいですが、告白します。
パンに12杯も蜂蜜をかける甘党、と思われてしまいますね。
……それだけならいいのだけれど。
実際はどうなんでしょう。
と、最近日本のハチ屋さんとおつきあいのある
ameen's ovenのミシマさんに聞いてもらったら
「そりゃ、わからんいうのがほんとのとこでしょう」
という回答だったとか。
花のたくさんあるところや北欧の白夜などでは
一日中働いてたくさん採ってくることもあるらしい。
そうしたら、スプーン一杯よりも多くなるかもしれません。
「この季節は朝4時ぐらいに飛んで行って、
仕事から帰ってくるのは夜7時ぐらいだそうです。
働き者はパン屋だけではありませんね」とミシマさん。
そんな話をしながら買ったameen's ovenの蜂蜜のパンは
蜂蜜のせいか、焼き色が濃く、生地はもちっとしている。
バターだけで、そのほのかな甘みを味わった。
今年とれたての百花蜜のパンは来年には味わえない
今年だけの味がするはず。
写真は、いよかんトースト。人気の定番です。