よく行く広島焼きのお店へ。
わたしは目の前でなにかつくってもらうのを
見ているのが大好きだ。
熱い鉄板の上でリズミカルに動く職人さんの
手先を眺める。
ひとときも休めない、舞台の仕事だ。
山のようなキャベツが甘く平らになり
豚バラ肉のとろけるような脂肪が
バゲットのクラストみたいにカリカリに
変わる頃に、それはできあがる。
暑くても、食欲が落ちる季節でも
いい職人さんがいて、おいしい店には人が集まる。
広島焼きのお店から帰るときはいつも
夜風が気持ちよくて、ちょっと酔っぱらって、
たのしくて、すこし疲れていて、
縁日がえりのような気持ちになっている。