ブドウ酵母と酵母が足りなかった話
キリクリームチーズコンクールの
記事を公開した後すぐに
銅賞を受賞された一宮女子短大の泉さん から
美しい写真の添付されたメールをいただいた。
短大付属幼稚園でブドウ狩りがあって
巨峰のおすそ分けをいただいたので
酵母を起こしているところだそう。
「すでに”巨峰くん”と呼ばれ、部屋の隅で息をしています。
どんな子に育つのか楽しみです」
と、すっかり子育てモードになっている。
そこで、はっと気がついた。
わたしは、フランス人に自己紹介をするときに
自分の名前の漢字について、説明することがある。
清らかな湧き水、豊かな麦の穂。
いい名前でしょう?
あるとき、あるパン職人にそれを伝えたら
「ルヴュール(イースト)が足りない」
とユーモアたっぷりにいわれた。
ルヴュールでもルヴァンでもいいのだけれど
わたしは大きな発見でもしたような気分になった。
自家製酵母を起こすひとたちは皆、
酵母を子どものようにかわいがる。
酵母が「子」ならわたしの名前は満ち足りて申し分ない。
フランスのパン職人もコンプレ!と認めてくれるだろう。
いい名前をつけてもらったと思う。両親と夫に感謝。
面白いことに気づかせてくれた人たちにも。