パンの美味しい食べかた
このごろ、パンの美味しい食べかたについて
いろいろな方から聞かれる。
保存のしかたや温めかたの良し悪し、
パンに合わせる油脂類についてなど。
「これはこうだ」と言い切れたらよいのだけれど
店によって、配合も製法も多種多様のパンは
保存も焼き戻しもそれぞれにやりかたがあって当然
と思うのでいつも、「一概にはいえませんが……」
などと最後に言ってしまう。
「わたしはこの店のこのパンを
こうして食べると美味しいと感じる」
本当はそれしか、言えないような気がする。
そのあとで、親しいひとには、
「食べてみて」とすすめてみたくなったり
「きっとあなたも美味しいと感じると思う」などと
言えるかもしれないけれど。
あまりにもいろいろなパンがあり
美味しいと感じることも人それぞれに
なってきているこの世の中。
そろそろ一般論では語れなくなってきた。
*
ある日、パンの美味しい食べかたを研究している
というひととお会いした。
何かと思ったら、今度オープンする店のパンを
美味しく食べてもらおうと
準備しているところなのだった。
パン屋さんから教えてもらう「美味しい食べかた」は
何より「パン屋さんが好きな食べかた」がいい。
そして
その店のパンの魅力が最大限に生かされるために
家に帰ってからすべき方法を教えてもらえたら、と思う。
*
写真は、野菜と濃い味つけの肉味噌、お吸いものにおひたし
そして雑穀入りのパン。
ある日、カフェで出合ったメニュー。
これはきっと、そのカフェの提案する美味しい食べかた。