フランスパンの常識を覆す

クラブ・ド・サントノーレのセミナー
今回は「フランスパンの常識を覆す」というタイトル。

 

VIRONのシェフ、牛尾則明さんがバゲットレトロドール、
セーグル数種を実演されました。

常識を覆す、その製法については昨春以下の記事で詳説しました。

VIRONの美味しさの秘密・製法の特殊性

 

そこでもちょっと書きましたが、あの大人気のバゲット
日本で再現するまでの苦労は、本当に大変なものがあったようです。

牛尾シェフと渋谷VIRONの松田シェフ

 

VIRON社のレトロドールは特殊な小麦粉。
2003年のVIRONのOPENの3日前という直前まで
バゲットは完成しなかったのだそうです。
「26年もパン職人をやってきてどうしてできないのか、その頃
半月は寝ていなかったし、本当に逃げ出したいと思っていました」

 

その時たまたま、水の硬度に関しての話を聞いた牛尾さんは
すぐに渋谷の水道局に電話をかけて硬度について尋ねます。
思いもよらなかった水の硬度調整。それをすることで、あの
バゲットは完成をみたのです。

 

ベストパンでも毎年人気のあのバゲットの味。
そのおいしさの向こうには、そんな苦労話も隠されているのです。

 

「パン作りは時間じゃない」と牛尾さんはいいます。
機械的に時間を守ったからといって、つくれるわけではなく
生地のタイミングを自分の判断でいかに計ることができるか
それができるのがパン職人だ、と。


 

 

クラブ・ド・サントノーレのセミナー後半は
パン専門フードコーディネーターの尾形麻衣子さんによる
お話がありました。尾形さんは大のパン好き。
別業種からAIB(American Institute of Baking)を経て
パン好き女性の会を主宰、パンに関連する企画・マーケティング
業務等、さまざまな活動をされているそうです。

 

尾形さんがいつも大切にされているのは「マリアージュ論」。
今度は、パンと何かいいもののマリアージュについて
お聞きしてみたいと思いました。

 

前回のクラブ・ド・サントノーレ
「全部の夢をかなえる方法」