ノスタルジーという名のチーズとホームパーティ
ノスタルジーというロマンチックな名前のついた
チーズを見つけたので、友人夫妻のところで
開かれたBBQパーティに持っていった。
Saint Marcellin NOSTALGIEは牛乳製なのに、
シェーブル?と、一口食べた誰もが感想を述べる。
マットな白い色味、目の詰まった感じに。
これは、クルミのパンに合いそうな味。
ヴーヴ・クリコから始まるBBQ。
男の人たちがElectroluxのグリルを囲んでいる横で、
テーブルの上の前菜を愉しみながら、ゆっくりとした時間が流れて、
シャンパンのあと、何もかもがおいしくて、6時間が経過。
気がつけば飲む人4人でワインが3本……嘘?と驚くほどに。
すっかりいい気持ちになった頃、Kさんが冷蔵庫から
出して見せてくれたのは、自分で起こしたパンの酵母。
彼がバターを切ってのせてすすめてくれたのは、
別のパンだったけれど、それもまた素晴らしくおいしくて。
普通に酵母を起こしたり、つめたいバターをナイフで切って
パンにのせる、という一番おいしい食べかたをしたり、
そこにはパンを愉しむ日常がありました。
K夫妻はいつもさりげなく実行する。
手間がかかる、楽しくて素敵なことを、
実になんでもない、普通のことのように。
それを見つけると、わたしはいつもほーっとなってしまう。
愉しむ人を見るのが好きだと思う。
ここのところ、茶道の稽古に熱が入るわたしのために
お薄までたててくださいました。
素敵な晩の締めくくりに。