モダンな白眉
2003年の夏に、渋谷のVIRONを紹介する記事のなかで
ブラッスリーへの階段の壁にかかる写真のことに
すこしだけ触れました。
小麦農家やパン職人のモノクロの写真は、
その前を通るたびに、温かい気持ちになるのです。
その写真を撮ったパリ在住の写真家、兵庫達弥さんから
ご連絡をいただいて、記事を読んでくださったことを
知ったのは、いつのことだったでしょうか。
昨晩は、その兵庫さんの個展の内覧会に出かけ
ご本人にお会いすることができました。
として生まれたルノーの自動車工場は、70年後に閉鎖、
その後しばらく放置され、2004年、解体が始まります。
廃墟の寂しさ、と同時に新しい都市再生に向け、これから
また何かが生まれる気配、夜明け前の希望、のような
美しい光が、兵庫さんの写真のなかに記憶されていました。
わたしはまた、レトロドールの写真のときと同じように
その作品の中にどこか温かな視線を感じました。
夜のシャネルビルには兵庫さんの写真も映し出されています。
兵庫達弥写真展『モダンな白眉 パリ・セガン島』は
CHANEL GINZA NEXUS HALLにて、本日12月16日より、31日まで。
入場無料です。
わたしが好きなVIRONの写真は兵庫さんのサイトでも見られます。