モダンな白眉

Diary812152

2003年の夏に、渋谷のVIRONを紹介する記事のなかで

ブラッスリーへの階段の壁にかかる写真のことに

すこしだけ触れました。

小麦農家やパン職人のモノクロの写真は、

その前を通るたびに、温かい気持ちになるのです。

その写真を撮ったパリ在住の写真家、兵庫達弥さんから

ご連絡をいただいて、記事を読んでくださったことを

知ったのは、いつのことだったでしょうか。

昨晩は、その兵庫さんの個展の内覧会に出かけ

ご本人にお会いすることができました。

セーヌ川セガン島に1919年、当時もっともモダンな建築

として生まれたルノーの自動車工場は、70年後に閉鎖、

その後しばらく放置され、2004年、解体が始まります。

廃墟の寂しさ、と同時に新しい都市再生に向け、これから

また何かが生まれる気配、夜明け前の希望、のような

美しい光が、兵庫さんの写真のなかに記憶されていました。

わたしはまた、レトロドールの写真のときと同じように

その作品の中にどこか温かな視線を感じました。

Diary812151

夜のシャネルビルには兵庫さんの写真も映し出されています。

兵庫達弥写真展『モダンな白眉 パリ・セガン島』は

CHANEL GINZA NEXUS HALLにて、本日12月16日より、31日まで。

入場無料です。

わたしが好きなVIRONの写真は兵庫さんのサイトでも見られます。