友人が来た日

友人が来るので犬たちを洗った。

激しく色落ちしたので、二度洗い。

呆気にとられて、そして笑ってしまった。

それから、雑巾で床を磨いた。

仕事はまだ残っているけれど

年末の気持ちになる。

近くの広島焼き屋さんに行ってきて、今度は

ワインを飲みながらさまざまな話をする。

人と人の縁についてなど。

10年も前、気持ちよく晴れた5月の公園で

彼と彼女と犬たちと出会った。

その頃から、いろいろなことが始まり、

素晴らしいつながりができていった。

いまもおぼえている。

その後、駒沢のバワリーで今の仕事の

きっかけをもらったこと。

その数年後、また別のカフェで、

あたらしい肩書きをつけてもらったこと。

いつも足元には犬たちが寝そべっていた。

Diary81228

ワインのつまみにと、夫がパンを薄く薄く

3ミリくらいにスライスしてお皿にのせる。

もうおなかが一杯、といいつつ、その薄さに

彼女もわたしも手を伸ばす。

シナモンリンゴ、イチジククルミ

近くに行くと必ず寄る、コパンのパン。

いつもおいしくて、気にいっている。

職人の池田さんには、センスがある。

施工に携わったことでご縁ができたこの店の

建物も、実は評判がいい。

新しく店を持つ人たちに「あんなふうに」と

所望されることも少なくない。

でもそれだって、あの日、彼と彼女と犬たちと

出会わなかったら……と思うとしみじみと、

人と人の出会いについて感じいってしまう。

友人からもらったもの。

たくさんのつながり。もう8年も育てている。

彼とはこの世では二度と会えなくなってしまった。

だから彼女にふたりぶんまとめて話す。

いつも感謝している。心から。

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