シュトレンカンパーニュをシェア
昨日、ナショナルデパートから届いたばかりの
大きなカンパーニュを友人とシェアした。
食べきりサイズのパンもいいけれど
大きなパンには大きなパンでしか出せない味がある。
わたしは、パン文化研究者の舟田詠子さんのところで
本格的なシュトレンを味わって以来、シュトレンというものは、
大勢でシェアするぶんには、2キロくらいの大きさのものが最高、
と思っている。なかなかそれを買う人も、よって、つくる人もいない
わけだけれど。
そんなことを思い出したのが、ナショナルデパートのシュトレンならぬ
シュトレンカンパーニュだった。重量は1キロほどだけれど、ユニーク!
シュトレンの中身、マジパンやフルーツが、大きなカンパーニュの中に
封じ込められているのだから。そこにはやはり、分け合う楽しみがあった。
さらに、もう一つの楽しみ。
パンには今年もかわいい絵本がついていた。
年に一度、クリスマスに制作されるオリジナル絵本。
秀島さんは以前、絵本について取材で、次のように話していた。
「食は個では成り立たず、母親からの授乳に始まる、
長い年月をかけて読み解く ”分け合う物語”なのだ
と思っています。人と人、自然から人、ケミカルから人。
タンパク質と酵素を媒体とした情報が、ものを食べることで
伝達されるのが純粋な”食”だとすれば、絵本はその目次の
ようなものかもしれません」
ほんとうに多才な職人さんだと思う。
今年は不況の影響で、「おうちクリスマス派」が多い、と
ニュースは報じていたけれど、大きなパンをシェアして
楽しんだひとも多かったに違いない。