鯛焼きとパン
時々、材木屋さんの前の空き地に出店している
移動の鯛焼き屋さんで、熱々を買う。
大好きな浪花家総本店のと、どちらが好きかといわれたら困る、
どちらも甲乙つけがたいおいしさの、その鯛焼きをかじりながら
歩くと、しだいに手もからだも、心も温まっていく。
その材木屋さんはたまに倉庫を開け放ち、セールをする。
屋久杉の板とか、いろいろな材木が並んでいるのを、
ちょっと触ったりしながら、元の姿を想像して歩く。
近くの自然食品店や、いくつかの小さなお店が空き地に
並び、小さなバザールのような賑わいのなか、小さな
パン屋さんも出店している。グルヌイユ。
グルヌイユはカエル、という意味なので、雨が多いんですよ、
と以前、店主の方にお聞きした。高尾の先から売りに来ている。
今度、あらためてお話を伺おうと思う。
先日、レストランで食べてあまりにおいしかったものだから、
すぐに八百屋さんに行って、手がちぎれそうになるほど
野菜をたっぷり買ってきて作った、ミネストローネの残りがあった。
そこに、リガトーニを入れて夕食にしよう、ということになり、
合わせるつもりでチーズのパンも買った。
スープの野菜はオーバーナイトで、ほどよくクタっとなっていて、
味わいが増している。
滋味深いパンも、スープも、「気」を感じる。
少しで、満ち足りた気持ちになった。