CICOUTE/MEMORIES

ちくちゃんにパンをお願いしていた。

Diary911302

コーヒーマグで手を温めながら

久しぶりのパンを一口かじると、

豆頬髭犬マフィンと参加したピクニック、

寒空の下で楽しんだ温かい料理とパン、

チクテ会のことを思い出した。

真綿色の頬髭をふるふるさせながら

静かにしっぽを振っていた、マフィン。

スタイリッシュなキッチンのショウルームで開かれた

パーティのことも思い出した。

ゲストたちが訪れる前に、山ほどのパンを切りながら、

端のところを味見して、気持ちがふわりと浮きたった。

本を書いていた暑い夏、CICOUTE/BAKERYの行き帰り、

くっきりと青い真昼の空と、風に光る緑の中を歩いた。

夢のような日々を、パンとともに、ぽつぽつ思い出す。

CICOUTE/BAKERY