圏外へ
500ページ余りもある不思議な小説、
吉田篤弘『圏外へ』を読む。
携帯電話のことを「圏外探知器」と呼び、「圏外」は
「世間にも世俗にも世界にも追われることなく、しかし、
それでいながら、しっかりこの世の地図の上に現実に
立っている。この言い得て妙な小気味よさ」
だというその気持ち、わかる気がした。
いずれ携帯には電子レンジ機能や冷蔵庫機能も搭載されるのでは?
されればされるほど、圏外探知機能にしわ寄せがくるのでは?
なんて心配するあたり。
新しい携帯のあちこちから音や光や振動が出ることにびっくりし
TVや映画を観られると知って考え込み、カメラの記録容量には
PCさえもがついていけないと知り、呆然としていた最近のわたしに
ちょうどいいお話だったかも。
と、そんなことばかり言っていないで、いかすことを考えましょう。
せっかくだから、記者の七つ道具に。
実家から届いた金柑。今晩あたり、蜜煮にします。