Bread&Circusの前で
昨日書いたrustic atmosphereは、好きな言葉。
この話はどこかで書いたかもしれないけれど
いまの仕事を始める前は、よく旅に出ていました。
旅の情報は、インターネットがなかったので、
紀伊國屋書店で買ったガイドブックから。
それは必ずしも日本人の趣味ではなかったかもしれないけれど、
ほんのり辛口コメントや、やたらノスタルジックな表現に
ナビゲートされるのが、面白かったのです。
読み耽りながら、線をひいた言葉のひとつが、rustic atmosphere。
大都会であっても、一つ路地を入るだけで、魔法のように魅惑的な
田舎の雰囲気、素朴な趣の場所が現れることがあり、後になって
一番記憶に残っているのは、そういう場所にある建物や、光の感じや
空気の匂いや、そこで会った人との親しみ深い会話でした。
骨董屋さんや本屋さん、そしてカフェでも、どこであっても。
なんでそんな話をまた書いているかというと、
久しぶりに訪れたBread&Circusのウィンドウを眺めていたら
急にそれを思い出したからです。昨日よりもさらに強烈に。
並びながら覗いたウィンドウの向こう、薄暗い店のなかに、
大きなパンやめずらしい形のお菓子が並んでいるのを見ていたら。
この、ここにしかない感じは、どこにも持って行けない。
わたしは今のこの感じを、後になってもずっと楽しく
おぼえているだろう、と思ったのです。
旅の気持ちが影響しているのかもしれませんが。
Bread&Circusは、All Aboutベストパンで3年連続グランプリ。
人気のあるお店ですが、それはブームではない。
わたしがそこにあの、魔法のようなrustic atmosphereを感じるように
多くの人も何かを、感じているのだと思うのです。
Bread&Circus、おいしいものと、楽しいこと。
人生で、迷うことがあったら、それを目指せば大丈夫。
そんな気がしてきました。