ハンバーガーのバランス
犬たちと散歩に出かけた帰り道、いつもの屋台で鯛焼きを買い、
熱々のところを食べながら、そのおいしさについて考える。
豆の味のする餡を包む、無地の味わいの生地。
たっぷりの熱さと、パリパリの薄い皮。バランス。
その後でハンバーガーを食べに行って、似たことを考えた。
以前、ハンバーガーの開発の仕事に関わったとき
パンだけおいしくしても、調和しないことを思い知った。
ハンバーガーのパンは元来、肉を食べるための包材みたいな
役割が果たせればよいとされていた。
それではかわいそう……だが、主張しても駄目なのだ。
バランスは大事。無地の味わいは大切なのだと思う。
テンガロンハットを被った本物のカウボーイにグリルしたてを
力強く挟んでもらい、芝生の上で頬張った素朴なハンバーガーだ。
年に2、3回しか機会がないけれど、ハンバーガーを食べるときは
「食べよう!」と思って出かけていく。
好きな味は、甘くも辛くもない、シンプルなものと決まっている。