7年目の終わりに

2003年4月からAll Aboutで、2008年8月からは

ニフティのココセレブに場所を移して綴っている

このジャーナルも明日で満7年、8年目に入ります。

パンと直接関係ない話ですが、節目に思うことを

書きたいと思います。

ウェブで書き始めてからカウントするなら

既に10年以上が経過し、IT業界の進化と

押し寄せる情報の波の中を、懸命に泳いできました。

でもこの場所は、情報の大海の中ではあっても、

ぷかりと浮かんでくつろぐひとときの場所だったかもしれません。

そしていつも、どんなときも、わたしは書きたいのだ

ということを確認する場でもありました。

いつも読んでくださる皆さまに、心からお礼申し上げます。

どうもありがとう。

ここからはちょっと個人的なことを書きます。

何があったわけでもないのですが、ある時気づくと、何かおかしい。

そんな感じがしたのは、いつのことだったでしょうか。

インターネットはもちろん、TVも新聞も雑誌も見たくない。

そうした情報すべてをシャットアウトしていました。

情報に溺れたのだと思いました。でも、何故?

本だけは読めたのが幸いでした。

大好きな河合隼雄さんの『ココロの止まり木』(朝日新聞社

にその答えをみつけました。

摂言障害(せつげんしょうがい)。

これは、臨床心理学者であった河合さんの造語で

拒食症や過食症の症状を持つ「摂食障害」をもじったもの。

「食べもの」ならぬ「言語情報」が豊かになりすぎたために、

その摂取障害が起こっているというのです。

きちんと「調理」されていない大量の情報、大量の言葉を

摂取するも、消化することができず、結局は自分のものにならないで

吐き出してしまう。情報の消化不良や中毒を起こしてしまう。

そうだったのか、と思いました。

「言語の摂取という点で、これまで意識しなかったようなことまで

考え、吟味する必要があるように思う」と河合さんは締めくくって

おられました。

摂取だけでなく、言葉を書く時も、吟味すべきですね。

これからの時代、情報の海は無限に広がり、簡単に便利に

人と繋がれる気がするツールも増えていくでしょう。

そのなかで、言葉のプロはどんな言葉を選び、どんな「料理」を

発信していくのか。どんなふうに人と繋がるのか。

そんなことを考えています。