毎週のように、豆頬髭犬たちの散歩の途中
移動販売の鯛焼き屋さんに寄っている。
ひとつひとつ、職人さんが焼いてくれる
できたての鯛焼きにすっかり心を奪われている。
こういう人には、パンを焼かせてもうまいに違いない
と密かに思う。
パリッとした皮は薄く、薄いのにモッチリもして
中に入っているのはあっさりと洗練された粒餡で
それはまるで、出来たてのぜんざいみたいに熱々で
汁気が多いので、食べ歩きするならこぼさないように
ヤケドをしないように、細心の注意を払わなくてはいけない。
豆頬髭犬たちには、しっぽのところを与える。
肌寒い薄曇の日、でもこの鯛焼きは最高にすてきな散歩の友だ。