びっくりする日々のマフィン
びっくりした
と言うと夫は
またびっくりしたの?
と呆れる。
こんなに長生きしていても、
毎日びっくりしていたら、新鮮でいい、と思う。
ここのところ時間が飛ぶように過ぎる。
そのことにもおどろく。
びっくりすることが多い日々は角のない、
まるいパンを食べてまるい気持ちになりたい。
だから最近はイングリッシュマフィンばかり
食べている。
好きなマフィンは3つあって、
一つはまだ食べたことがないけれど
好きに違いないと思っている。
どれもこれも、好きな職人さんの焼くもので
取寄せないとならないのでなかなか手に入らない。
贅沢は言わないで、普通のマフィンを食べている。
それも、まあまあおいしい。
職人のパンは、いつも幸せなおどろきに満ちているが、
日々のパンは、びっくりするほどのことがなくても
いいのだろう。
コーヒーで一息いれながら、もうひとつ
懐かしいマフィンのことを思い出した。
最愛のマフィンは犬だった。
イングリッシュではなくてアメリカンマフィンを
逆さにしたみたいなかたちの顔をして、
ふわふわの髭はまっしろだった。