東京の小さなはちみつ屋さんのお話
この春、初めての養蜂体験(蜜搾りにうってつけの日 /
Bee Charmer,蜂を魅了する人)をしてからというもの、
いつかベランダでわたしも蜜蜂を飼ってみたい
なんて甘い甘い夢を見たり、していたのだった。
けれど先週また、養蜂家の方のお話を伺いに行って、
養蜂には職人技術のようなものが必要であることを知る。
あたりまえのことながら、巣箱を置いておくだけでは、はちみつは採れない。
わたしは、クマのプーさんの頭の中みたいに、夢を見ていたのだった。
蜜蜂の一生のサイクルを注意深く見守り、要所要所で
温度管理や食餌を適切に判断し、愛を持って育む感覚。
技術と心、それはパン職人とも共通するかもしれない。
奥から、田頭謹吾さん、桂之輔さん。
馬毛のブラシは、蜜を搾る時、蜂をやさしく払うためのもの。
養蜂家の田頭謹吾さんと弟の桂之輔さんは終戦後、
地元愛媛県で、何もなくなってしまったところから始めた農業で
飼っていたヤギと蜜蜂一箱を交換したことがきっかけで、
養蜂のとりこになってしまったという。
今は東京で、養蜂をされている。
このお二人とも、はちみつのことを聞けばなんでも
教えてくれる、はちみつ博士のような方々だ。
話すときの目が、静かに澄んでいる。
農業が変わり、機械化されることでレンゲ畑が消え、養蜂も変わった。
東京は、蜜蜂が農薬の空中散布の被害にあうこともなくていいという。
「トチ、アカシア、クローバー」のはちみつを味わった。
養蜂家のセミナー、蜜蝋キャンドル作り、はちみつ料理教室、
はちみつテイスティング講座などは、アトリエ・ド・ラベイユの
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