竹谷光司さん感謝の会

今から20数年前、若手パン職人たち(今ではパン業界を代表する方々)

が集まって、将来は業界のシンクタンクになるという志のもと、

勉強会を始めました。

会を発足させたのは、日清製粉の技術者であった竹谷光司さん。

勉強会が定例で行われていた時期、一度呼んでいただいたのを

きっかけに、最後の数年は必ず末席で参加させていただきました。

サッカーでは「後ろの声は神の声」と言われ、自分の後方の選手の

指示が大切とされるそうですが、ブロートハイムの明石さんは、

竹谷さんの声を神の声にたとえていました。

と同時に人間味があって、温かい、かけがえのない人だとも。

ドンクの仁瓶さんは、竹谷さんのことを灯台や開拓者、導師にたとえます。

おいしいパン屋さんには信頼できる仲間がいる。

仲間との切磋琢磨が、理想のパン屋さんをつくる。

『おいしいパン屋さんのつくりかた』を書いたときや、

製パンの知識を必要としたときも、わたしは竹谷さんに

お世話になっていました。

その竹谷さんが退職され、奥さまとともに第二の人生を歩まれる

ということで、お世話になった人が大勢集まって、帝国ホテルで

感謝の会を開きました。

Diary1009281_2

左から帝国ホテルの金林さん、清水、竹谷さん

わたしは今日も、たくさんのパン屋さんにお会いしました。

今でも教えてさしあげるより、いただくことばかり、

シャンとしろと、叱咤激励してもらえばうれしいし

パン業界の人ではないのに、温かく迎え入れていただいて

仲間のように接していただいて、感謝の気持ちでいっぱいで。

この素敵な人たちとの巡りあわせの1/3いや、半分くらいは、

竹谷さんのおかげではなかったか、と思うのです。

Diary1009282_3

左からブロートハイムの明石さん、コシュカの秋元さん、シニフィアンシニフィエの志賀さん

僕の夢は小さなパン屋さんを開くこと。

時々竹谷さんは言っていました。

あの楽しげな、静かな声で。

その夢が実現に向かっているのを、皆が祝った夜でした。

Diary1009283