暗闇の灯、のようなもの
東北地方太平洋沖地震で被災された皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。
一人でも多くの方がご無事で、日常の生活に戻ることができますように
被災地の一日も早い復旧をお祈りしております。
京都の友人から安否を気遣うメールをもらった時、東京に住む自分も
心配される側に入っていたということに気づいた。
家が音をたてて揺れ、わたしは犬たちを抱えて避難した。
火の元を確かめ、水を汲んで、懐中電灯や蝋燭を確認し、
倒れたもの、落ちたものを直し、TVをつけた。
近所の人たちと声をかけあい、家族の安否を確かめた。
電話は不通だったけれど、みな無事だった。
でも、遠い親戚の人が被災したことを知った。
今は節電をし、情報に耳をすませ、祈るばかり。
ガスや電気の使用を最小限に、簡単な食事をつくる。
日々、自分の役割を、できる限りのことをしようと思う。
*
これは、とても個人的な話だけれど。
年初に決まっていた手術のため、先日、入院をした。
心もからだも、いつも、たくさんの人に助けられてきた。
ドクターであれ、家族や友人であれ、師匠であれ、
二度と再び会えない人であれ、この人がいる(いてくれた)
と思うだけで、暗闇にあかりが灯るような気持ちになった。
そうするともう、わたしはどんなことも大丈夫に思えてくる。
そんな時の、震災だった。
人は人に助けられるようにして、生きていられると思う。
わたしは、自分の役割において、どんなあかりを灯す人になれるだろうか。