高橋雅子の変換レシピ

Diary110502

マニアックなホームベーカー(=家庭製パンをとことん楽しむ人々)

待望の書が出ました。

パン教室「わいんのある12ヶ月」主宰、『少しのイーストでゆっくり

発酵パン』など、家庭製パンの本でおなじみの高橋雅子さんがこの度、

10冊目となる『高橋雅子の変換レシピ』(PARCO出版)を出版しました。

志賀勝栄さん、山﨑豊さん、伊原靖友さん。

以上3名の名シェフによる、オリジナルレシピが5つずつ冒頭にあり、

それを高橋さんが家庭向きに変換したレシピが続きます。

海外のパンを、素材も環境も異なる日本で再現しようと試みる

職人さんの話を聞くことがよくありますが、高橋さんの試みは

それと似ているかもしれません。

シェフたちが普段扱う生地と比べたら、極少量の生地で、設備も

まったく異なる条件下で、同じパンを焼こうとトライするところなど。

目指すパンまで、シェフとは異なるやりかたで到達する、

それはつまり大型のオーブンやミキサーや発酵機を使うのではなく、

ホームベーカリーのこね機能を使ったり、シャワーキャップで生地を

覆ったり、(ワインセラーがある人はいい感じで低温長時間発酵が

できるなんていうのもありました)という、ホームメイドスタイルです。

今までシェフたちのパンに惚れ込んで、食べ手としての歴史も重ね

ホームベーカーとしての経験豊富な高橋さんだからこその、素敵な

レシピブックだと思います。

同じものなどできるわけがない、とわかっている。

でも、家のパンは世界一おいしいと思う。

それが多くのホームベーカーが感じることだと思います。

じっさい、自分と家族の嗜好を最優先でき、原価計算などしなくてよい

という利点はあるのです。

いずれにしても、恐れ多くも同じパンを目指し、憧れのシェフの思想に

周波数を合わせ、懸命に作ってみるというその過程は、いつになく

楽しい時間となるに違いない、と思うのです。