芥川龍之介の外出
Breadとは関係ないことだけれど
サンドイッチでもつくって、コーヒーを淹れて
愉しみたい本、ということでは関係している?
昨日書いた『忘れられる過去』荒川洋治
という本の話を、もうひとつ書きたいので書く。
芥川龍之介の年譜を検証した話があった。
誰それと一緒に誰それを訪ねるが不在、などと書いてある年譜。
検証の結果、一般家庭に電話が普及しておらず、
連絡手段がなかった当時、誰かを訪ねて会える確率は60%以下
と出た。
相手が不在の可能性もあると覚悟して出かける。
その覚悟、電話を携帯する人にはもうない。
当時は予告もなく会いに行くから、そこに世代のちがう人や、
新しい友人がいたりして世界が開ける。
また「不在」でも、今日は会えなくてよかったかもしれない、
今度来るときにはちがう話をしようなどと思う。
思考が深まるのである。
オフラインの時代の、
会うことにも、会わないことにもあった、
濃度、密度のようなものについて考えた。