エスプレッソというパン

昔(1975年頃。ほんとに昔)、母が作ってくれたコーヒーロールは

コーヒー味の生地をくるくると巻いて8個くらいをバットに並べて

焼きあげたものだった。仕上げは白いアイシング。

わたしがコーヒー味の生地やアイシングが好きな所以はここにある。

Diary110802

ネモさんの「エスプレッソ」は、そのことを思い出させたけれど

よりコーヒーが濃やかに薫る大人の味わいだ。

子供の舌には、ほろ苦いと思う。子供の味覚と大人の味覚。

昨日は取材で再びネモベーカリー&カフェを訪れ(今度はもっと

ハードな文体で密な舞台裏を書くのだ)、一息ついた時に

そんな話にもなった。

さっき片付けていて見つけた、古色蒼然とした懐かしのバットには

SKYLINE BAKEWARE ENGLAND という刻印があった。

イギリス製やアメリカ製が多い時代。

昔は、便利な器具もいまほどなかったけれど、デザインは永久もの。

振り返ってばかりはいけない、と思いながらついつい懐かしむ。

そういう過去の一粒一粒が、いまの自分をつくっていると思えば。

ネモ ベーカリー&カフェ【武蔵小山】