モリカゲシャツ東京 talk night、そして「白いシャツのようなパン」
SHIBAURA HOUSE(田町/芝浦)で、京都のモリカゲシャツの展示会
「モリカゲシャツ東京」9回目を記念するトークイベントがありました。
たまたま集まった、という話し手は4人。
衣食住+歌という、なんだかとてもバランスのとれた構成の仕事人たち。
このうち3人は京都出身です。東京で9回目の催しなのでキーワードは9。
「衣」ふく/代表・森蔭大介(MORIKAGE SHIRT)
「食」くう/代表・西山逸成(Le Petit Mec)
「住」くらす/代表・中原慎一郎(Landscape Products)
「歌」ソング/代表・松井省悟(空中ループ)
こだわり、という便利な言葉について。
デザインと音楽について。
本気でいいものを作ったら、売れない?ということについて。
ブラントの構築について。
職人について、など、
森蔭さんの話術でぽろぽろと面白いお話が引き出され
会場の皆を笑わせていました。(それでも東京の人たちは反応が薄い
ようなのですが)
松井さんのミニライブ、わたしは2mと離れていない席で、
素敵な歌に包まれていました。これは贅沢なサウンド経験。
今晩の、わたしの夕食も贅沢です。
西山さんがここのところ睡眠時間を削って準備されていた、
フランス産フォアグラとオレンジ風味のキャロットラペの
ブリオッシュサンドと、ディル風味のサワークリームを添えたサバサンド。
ことに、ふんわりとジューシーに料理されたサバサンドが秀逸。
昨夏の鮎サンド、思い出しました。
パン職人にして料理人の西山さん、お見事……!!
シャツとパン、と考えながらイベントへ向かう道すがら
そして帰りの電車のなかで、わたしは終始、白いシャツのことを
考え、恋焦がれているのだと思いました。
イベント内容ととくに関係なくて恐縮ですが。
白いシャツのようなパン朝から晩まで、一年中どんな季節の空気にもなじみ
日常の一部となって飽きることのないパンには、
主張はしないが、心やすまる存在感がある。
それは上質な生地でつくられた白いシャツに似ている。
カジュアルにもフォーマルにも通用し
さまざまなものと合わせることができて、さまになり
アクセサリーをつけて遊ぶ愉しみがあるところも
自分のスタイルでコーディネートできるところも。
白いシャツを着こなすように、パンを使いこなせたら
日々の食事はどんなに楽しくなるだろう。
『日々のパン手帖』 清水美穂子 / メディアファクトリー