チャリティー講習会のパンと職人さんたち

東日本大震災復興支援チャリティー製パン講習会<4>

続きです。

今回の東日本大震災復興支援チャリティー講習会で実演された

職人さんとそのパンたちをご紹介します。

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大西かおりさん

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くるくるかりかり

セ・トレボンの大西かおりさんのパンのセンスは素晴らしい。

「くるくるかりかり」というおいしそうなネーミング、魅惑的なかたち。

これはバターを折り込んだライ麦生地。

ナツメグ、ジンジャー、クローブなどのスパイスとはちみつが入っています。

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ペピットショコラ

ペピットショコラ」は手捏ねの生地。いつも12kgの生地を手で捏ねるのだそう。

生地は発酵のあいだにつくられるので、捏ねるというよりあわせる、という感じ。

吸水の多い、もちっとした食感の生地。

そこからセ・トレボンの人気のパンが20種類ほど生まれる。

ペピットショコラはチョコチップとオレンジピールのパンですが

このほかに同じ生地を使ってリーブとローズマリーやバジルのパンもデモ。

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福井清史さん

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タルトフランベ

ブーランジュリークルミの福井清史さんの「タルトフランベ」は

フロマージュブランとサワークリーム、ベーコンと玉ねぎのパン。

バリエーションとして、飴色玉ねぎ、チーズ、トマトソース、

枝豆やトウモロコシなど、いろいろできるのです。

福井さんはドンク出身の職人さんだから、ベーシックなパンは

たぶん、お手のものでしょう。

ハード系につよいけれど、ブーランジュリー クルミでは

それにこだわらず、日本人の好きなもちもちしっとりの

食感を大切にしたパンもいろいろ。サンドイッチにもチカラを入れているそうです。

ほかに、湯種を使用した雑穀食パンもデモ。

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上田怜さん

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ロッゲンミッシュブロート

ZOPFのチーフ、上田怜さん。ロッゲンミッシュブロートのデモを行ないましたが、

生地が緩すぎて、だれてしまうというトラブルに見舞われました。

このとき、店長の伊原さんがすかさず、「水が多かったの?粉が少なかったの?

味見をしてみたら、塩を入れたかどうかとかサワーがちょっと弱いから締めが弱いかな、

とかわかるよね。他のパンにしてしまう?さぁ、どうする?みんな、一緒に考えてみてください」

そして「僕だったら型焼きにするかな」と代替案も。

上田さんは粉を足す選択をしました。

だれた原因は、レストブロートにじゅうぶん吸水をさせないうちに

進めてしまって、水分が余ったことでした。レストブロートを

入れないときは水の半量を減らすそうですから、ここは大事でした。

間違いが起こったほうが、はっとして、学ぶこともあるものです。

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山﨑豊さん

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パン テ・ヴェール オ ショコラ 大納言

山﨑さんの「パン テ・ヴェール オ ショコラ 大納言」は

本物の抹茶をふんだんに使用した生地に大納言とホワイトチョコ。

季節の色や味わい、素材を熟知して、料理人や菓子職人のような

アプローチをする、山﨑さんの美しいパン。

他にもタルトやフォカッチャなど数品。どこかで買えたらいいのに。

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井上克哉さん

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パスティス ブーリ

オーベルニュの井上さんの「パスティス ブーリ」。

パスティスのアニス風味は日本人には馴染みがなく厳しいので

かわりにラム酒で作られた、パン屋さんならではの発酵菓子。

オーベルニュでも人気だそうです。

昨日の写真を見てもわかりますが、職人さん同士、お互いを助け合って、

とてもいい雰囲気。慣れない人も、いつしか緊張がとけて、笑顔に。

ちょっとした失敗も、ぎこちなさも、いつか消えていたのです。

機転の利いた温かい言葉のかけあいとチームワーク。

大切だなぁと、ベテランの職人さんたちに拍手を送りたいと思いました。