ふぞろいのイチゴとバゲット

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最近、安くて小粒の「あまおう」を見つけると、よろこんで買っています。

大きさ、かたちはふぞろいでも、カットすると中まで赤くて甘い、

それは確かに「あまおう」だから。

きのう夫がある店でバゲットを買おうとしたら、クープのかたちなどが

あまりにもふぞろいで、どれにしようか結構迷ったと言っていました。

バゲットの国では、色の濃い薄いなどがあって、お客さんは自分の好みで

選んで買うことができるといいます。

昨日の店はたまたま職人やら窯やらの都合で、かたちがそろわなかった

のかもしれません。

色も形もすっきりとそろっているのは、日本人の職人技(業)によるもの

でしょう。それとは別に、スーパーやコンビニに行けば季節や地域を

問わずいつどんなときにも均一なパンがある。

今の日本で消費生活をしていれば、その「均一であること」に慣れてしまう

かもしれません。

だからたまにふぞろいのものに出合うと、なにか欠陥が……?と思いがち

だけれども、べつに、そんなことはなくて。それよりほんとうは自然のものを

均一に保つほうがたいへんなことで、それは高い技術の賜物であったり、

はたまた大量生産のラインにのっているからであったりするわけです。

ここは、製品、商品としてではなく、自分が口にするもの、という感覚で

ものを見ることが大切なのでしょう。その時、そろっていることが、あるいは

そろっていないことが判断基準になる場合もあるけれど、パンであれ果物で

あれ、自らの五感で把握する心地よさ(すなわちおいしさ)にポイントを

置いたらいいのだと思うのです。