ファッションフード、あります。
面白い本を読みました。
先日辻調塾でお会いした畑中三応子さんの新刊。
『ファッションフード、あります。』畑中三応子(紀伊国屋書店)
食がファッションとして消費される日本独自の文化現象の年代史。
1970~2010年の流行食がぎゅうぎゅうに詰まった充実の一冊です。
明治30年頃一日に10万個以上が売れた銀座木村屋のあんぱんに始まり、万博で1億71千万円売れたドンクのフランスパン、そして日糧製パンのチーズ蒸しパンなど、パンも出てきます。
今やパン屋さん巡りを趣味やレジャーにする人は増え、パンには季節があり流行があり、そうしたトレンドを尋ねられる度に「パンは日々の糧というよりも今やファッションでもあるのだなぁ」と思わざるを得なかったのですが、おそらくそうなのでしょう。そういう面もあるのでしょう。そうしてしまうところが日本人の個性。
パンのことはともかく。
幸か不幸か、情報の時代を生きてしまっています。そして1970年代以降の歴史なら、食いしん坊なわたしはかなり、いろいろなことを覚えているわけで、「こんな時代があったねー」とその食べ物と自分との距離感を思い出し、面白がりながら、一気に読みました。
ところで、この装丁は何かに似ている……と思ってじっと見たら、アイスクリームコーンでした。
そんなに並んだ記憶はないけれど、大好きだったなぁ。スイスアーモンドバニラ。