ブレッド&サーカス、旅の入り口
おいしいことと、楽しいことと。
湯河原は東京から、簡単には行けない。
わたしにとっては、計画して行かなくてはならない場所だ。
仕事で行くにしても、旅で行くにしても。
いつも、はずんだ気分で。
そこで寺本夫妻に会うとさらに嬉しくなってはしゃいでしまう。
おいしいことも、楽しいことも、夢のようだと思う。
店で、世界中から夫妻が集めた旅のかけらに出合う。
康子さんは空港とホテルが好き、といつか言っていた。
わたしはうん、うん、と頷く。
外国のカフェであるとき、すごくおいしいパンに出合ったと言っていた。
おいしいな。うれしいな。わたしはここで、こんなにおいしいものを食べている。
そんな旅のかけらを、わたしもいくつか大切に持っている。
最近、ブレッド&サーカスから旅を始める。
海の見える場所で、好きなだけパンをかじる。
いくつもの夢のような旅が交錯する。