パン文化研究の深層~ゼロから本ができるまで
1月23日に上智大学ソフィアンズクラブで行われた講演会が素晴らしかったので、より多くの方にお伝えできたらと講演会を企画しました。
舟田詠子『パンの文化史』復刊記念イベント
パン文化研究の深層~ゼロから本ができるまで
「今、日本のパン屋さんには世界中のパンが並んでいます。イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、アラブのパンなど、 こんなにいろいろなパンを食べている国は世界でも日本だけといってもよいかもしれません。 でも、世界の人びとがパンをどのように大切なものとしてきたか、という文化については あまり知られていないのです」
そう語る舟田詠子さんはパンの文化史の研究者。30年以上にわたってヨーロッパ各地で実地調査と文献研究を行っています。朝日選書から出版された著書『パンの文化史』(1998)がこの度、講談社学術文庫で復刊されたのを記念して、講演会を企画しました。
スイス人のパン研究家、マックス・ヴェーレン博士の著書を翻訳し、そのあまりのおもしろさに、自らパンを研究する道へ入った舟田先生の興味はやがて、パンからヒトへ。「パンの文化史という本を書いているけれど、わたしは人間を書いているんですね。パンは人間が食べ、健康を維持し、幸せな生活をするためにある。だから人間を書いているんです」
古代エジプト人の気持ちを推理したり、その好奇心は何百年、何千年の時空を超える。目の前に壁が立ちはだかっても、舟田先生は扉を捜し、鍵穴を見つけ、やがて扉は開かれる。その鍵は語学と粘り強さと愛嬌と無邪気さを備えた真剣さか。先生の行く手に登場する人々は、それぞれに個性豊かな手を差しのべてくれる。博物館で、外国の田舎の村で。
「おもしろい。なにしろおもしろいんですよ。すべてが」先生は目を輝かせながら語る。
『パンの文化史』はパンの仕事に携わる人、パンが好きな人に持っていてほしい本です。
「パン焼き小屋ツオップ」(千葉県松戸市)のパンに+something goodをのせて楽しみながら、この本ができるまでの物語を一緒に体験してみませんか。
プロフィール
舟田詠子
東京生まれ。上智大学ドイツ文学科卒、ドイツ留学。 1978年来、世界各地で、パンの文化を探るフィールドワークと文献研究を行う。ウィーンと日本にそれぞれ半年ずつ在住。
著書 『アルプスの谷に亜麻を紡いで』(筑摩書房)、『アルプスの村のクリスマス』(リブロポート)、『パンの文化史』(朝日選書)、『誰も知らないクリスマス』(朝日新聞社)、『BROT – Teil des Lebens』(mdv)、訳書 『中世東アルプス旅日記』(筑摩書房)
制作ビデオ《パンの民俗誌》、制作協力ビデオ 《人間は何を食べてきたか》(NHK教育スペシャル)
清水美穂子
ブレッドジャーナリスト。2001年よりパン職人の取材を通し、情報サイトAll AboutパンやBread Journal他、TV、雑誌、企業情報誌等のメディアでおいしいパンとその向こう側にスポットをあて続ける。パンを楽しむ企画のコーディネート、執筆多数。
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日時:3月8日(土)14時~15時半(13時半開場)
場所:デリス・ド・キュイエール:川上文代料理教室(東京都渋谷区桜丘町9-17)
渋谷駅より徒歩5分。
当日連絡先(3月8日13時~15時半のみ対応):03-5456-9071
予約受付: 先着30名さま
申し込み:nuagesneuf☆gmail.com (☆を@に替えてください)
2月25日追記
満席となりました。お申し込みをいただいた皆さま、ありがとうございました。以降のお申し込みは、恐縮ですがキャンセル待ちとさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
参加される方のお名前と、本の有無をそえて上記メールアドレスへお申込みください。当日は講談社学術文庫『パンの文化史』がおひとりさま1冊ずつ必要となります。
会費:3000円(書籍代込み 講談社学術文庫『パンの文化史』お持ちでない方)
2000円(既に講談社学術文庫『パンの文化史』をお持ちの方。当日、必ずご持参下さい。)
※パン焼き小屋ツオップのパン+something goodと挽きたてコーヒー付き
お申込みいただいた方に、お振込先をお伝えします。お振込を確認しましたら再度確認メールを差し上げます。これをもって予約完了となります。
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企画:Bread Journal
主催:cloud nine