第9回メープルスイーツコンテスト 日常性と芸術性の接点を極める

毎年、木々が紅葉するころ、カナダ大使館で行われる、メープルスイーツコンテストの表彰式。

世界から注目の集まる日本食を意識して今年からは和菓子にもメープルシュガー、メープルシロップの可能性をひろげるべく、東京製菓学校から和菓子の先生も審査員に迎えていました。

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今年のグランプリはパティスリー オ・グルニエ・ドールの加藤喜子さんの「楓の小路」でした。黒ビールを用い、大人の男性のためのアシェットデセールを意識したのだそうです。楓の落ち葉に初雪の風情が美しい。

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菓子部門の優勝はエコール・クリオロの中塚隆雄さんの「les feuilles d'automne」。伝統菓子ポンヌフをメープルとリンゴのコンポートでアレンジした作品。

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そしてパン部門の優勝はドンクの上田義貴さんの「ケベックの恵み」。これはメープルのブリオッシュで、シンプルに見えますが重層的にメープルを使い、ヘーゼルナッツプラリネを活かしているのだそうです。

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上田さんはドンクそごう横浜店のチーフ。「ケベックの恵み」はいずれそごう横浜店で販売を予定されているそうです。

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審査員、ポワンタージュの中川清明さんは「日々の努力や熱意を感じました。普段の環境との違いに苦労をされたことと思います」そして材料の組み合わせについて述べられました。材料の組み合わせについては他の審査員も言っておられました。

「メープルをたくさん入れれば香りは強くなるかもしれないが当然甘くなります。副素材の選び方や食感が勝敗を分けたのではないかと思います」ザ・キャピタル東急の安里哲也さん。

そしてシニフィアンシニフィエ志賀勝栄さんは「入賞できる人というのは日常性と芸術性の接点を極めた方だと思います。芸術性というのは、イマジネーションと人間性。たくさん本を読んだり、いろんな環境に身を置くことで研鑽されてください」と。日常性と芸術性というのは志賀さんもいつも考えておられることなのだそうです。

それにしても、よどみなく、シンプルに、理路整然と話をされる志賀さん。

パンづくりだけではなくて、そのことばに、いつも心をつかまれます。