Today's Toast【3】魚トースト・バラエティ
パン屋さんで焼かれたパンを切って、食べる前にもういちど焼く。
トーストは、家でパンをより美味しく愉しむために、パンに施す仕事だ。
『日々のパン手帖 パンを愉しむsomething good』(メディアファクトリー)
「美味しいトースト」より
トーストというと食パンと考えがちだけれども、パン・ド・カンパーニュでもバタールでも、ベーグルでもいい。トーストしたらバターやジャムではなくて、魚をのせてもいいのです。
魚ですって?ええ、魚ですとも!
たとえばカリカリにトーストした薄切りパンにオイルサーディンをのせて、レモンをキュ、としぼる。思わず白ワインをのみたくなってしまいますよ。なんといってもサカナですから。サバの味噌煮に大葉、なんていうのもいいでしょう。
でも昼間だったら、ツナにしましょうか。
とびきり簡単なツナトーストには、おいしいビンナガマグロのオイル漬けの缶詰を使うことにしています。マスタードとマヨネーズでさっくり合えて、アクセントにはフルーティな甘さのプチトマトを、仕上げに粒の白胡椒をガリガリと挽いて。
マスタード、マヨネーズ、そしてトマトには、それぞれ異なる酸味があります。それらが呼応しあってツナのオイルに馴染みます。ツナトースト、と書きましたが、こうしておいしいものを塗ったりのせたりしたオープンサンドのことを最近では「タルティーヌ」とも呼びます。なんということはない取り合わせで、ジャスタミニッツ!
たったの数分で結構素敵な朝食にありつけるのです。
すこし余裕がある日には、ツナにいろいろ加えて愉しみます。香りと食感を愉しむならセロリと赤ピーマンとクルミ。シックな大人っぽい味にするなら黒オリーブとアンチョビ。ヘルスコンシャスな気分ならアボカドとトマトとアルファルフアをたっぷり。
これはサンドイッチにも応用できます。
トーストとツナ+something good(なにかいいもの)で、良い一日が始まります。