薪能の夜
友人夫妻と、月窓寺の薪能へ。
随分まえから楽しみにしていたのです。
外の音や人の気配が気になるものですが、それは始めだけで、
薪の炎を見、笛の音、太鼓の音に耳を澄ますうちに、いつか
非現実の世界へいざなわれていくのです。その感じが、好き。
「野守」の鬼の様子には、息をのみました。
*
現実に戻ってから、いつもの気さくなイタリアンレストランへ。
アクアパッツァで残ったスープは、パンを浸すだけでなく
リゾットにかけても美味しいということを教えていただきました。
食事の締めくくりに、一口だけでものみたい、というリクエストに
イカ墨のリゾットと柿を添えて持ってきてくださるという、粋な
はからいに、感動しました。
その後は友人宅に場所を変えて、飲みなおし。
冷たい白ワインに、Art de Painのクグロフ・サレやEATALYの
生ハム、友人お手製の絶品の佃煮やおつけものなどで、
夢のような、でもちゃんと現実の、楽しい夜は更けていきました。