2013-01-01から1年間の記事一覧
日本人の伝統的な食文化、和食がユネスコの無形文化遺産に登録されたことで、和食についてあらためて考える機会を持つ人も多いかもしれない。 タイムリーに、先ごろ出版されたばかりの辻調グループ代表の辻芳樹さんの『和食の知られざる世界』(新潮新書)を…
今年のクリスマスはsens et sens(サンス エ サンス)のシュトレンでカウントダウンした。 とても丁寧につくられたシュトレンだった。 自家製レーズン酵母、北海道産の小麦。無花果や杏の瑞々しさがよかった。 スライスして皿にのせると、年末の慌ただしさが…
ベストパンがAll Aboutパンの恒例企画になって十数年。 今年グランプリとなったVIRONがベスト10にランクインしたのは、いまから10年前、VIRONのオープンと同じ2003年でした。 当時を振り返ると、メゾンカイザーやPAULなど、メロンパンがなくてバゲットやクロ…
速報です。All Aboutのベストパンの結果を先ほど、発表しました。 ベストパン★2013 結果発表 2013年、All Aboutで取材させていただいた店を振り返ればその半数以上がカフェやイートインスペースを併設したお店でした。これは、焼きたてであれ、挟みたてであ…
もと「デュヌラルテ」の杉窪章匡さんが2013年12月12日、代々木八幡に新しいスタイルのベーカリーをオープン。 365日【代々木八幡】 杉窪さんのお話を伺っていると、しなやかな思考回路と固い信念、そして潔よさを感じる。 「これはこういうもの」という一般…
時々、こんな本を書いてくれてありがとう、と感謝したくなる本に出合う。 池田浩明さんの新刊『パン欲 日本全国パンの聖地を旅する』(世界文化社)。 タイトルだけ見たら、いつものわたしなら読む気がしない。聖地ってなに。とよくメディアの人にかみついて…
花屋さんや書店などの非飲食業に併設のカフェに多く導入されているというコーヒーディスペンサーマシン「ネスカフェミラノ」。12月3日、ベーカリーを対象にした講座が銀座で開催された。 コーヒーがカスタマイズできるマシン本体や、カフェ支援プログラムな…
明太子フランスのニュースが福岡から届きました。 ラーメンの名店「一風堂」などを経営する力の源カンパニーのベーカリー「ブレッドジャンクション」で先日、博多の高級明太子ブランド椒房庵(しょぼうあん)と、ブレッドジャンクション内のウイヨー・アンド…
お昼に松陰神社前のブーランジェリースドウの近くを通りかかるという幸運。 ちゃんとした食事を摂ることをあきらめて、間に合わせのように「お昼はパンでいいや」とはならないパン屋さんでお昼を買う。ワクワクするひとときです。 のせたり包んだりした具の…
いま読んでいる、四方田犬彦『ひと皿の記憶』に「小学校に通っていたころの何が一番の苦痛だったかといえば、給食だった」から始まる「バゲット」の章がある。そうだあのパン(とそれにまったく合わない食べ物)、ひとまわり年が違っても、ひどく共感して読…
All Aboutベストパン★2013投票が始まっています。 読者が選ぶベストパン★2013投票開始 ベストパン、と聞くと、ああもうそんな季節ですか、とか 年末を感じる、と言っていただくようになりました。 読者の方に教えていただいて、ぜひとも行って、食べて、お話…
久しぶりに、夫が設計施工に携わったお店を取材。 成井宏夫さんはベテランの職人さんで、厨房はいい感じの 活気に満ちていました。お店は早くも地域の方々で賑わって パンはハード系から菓子パンまでどれも、ベーシックスタンダード +小さな感動という感じで…
All Aboutベストパン殿堂入りの名店、ブレッド&サーカスとツオップに、特別に通販してもらえることになりました。今年は読者の方々から熱いリクエストいただいたので、実現の運びとなりました。 リアル店舗でも行列の人気2店、ブレッド&サーカスにはブレッ…
1948年「タカキのパン」から始まったアンデルセン。『アンデルセン物語』(新潮社)を読んで、日本のパンの戦後史をアンデルセンの創始者、高木俊介、彬子夫妻の視点で辿った。 最近『ドンクが語る美味しいパン100の誕生物語』を再読したばかり。アンデルセ…
東京のパン組合が主催する、町のパン屋さんのコンテスト、パングランプリ東京の審査員を務めました。いつのまにか5年目。今年は「あんパン部門」「シュトレン部門」「パンペルデュ部門」。素材メーカー主催のコンテストでは、特別なパンが出品されがちですが…
おいしいことと、楽しいことと。 湯河原は東京から、簡単には行けない。 わたしにとっては、計画して行かなくてはならない場所だ。 仕事で行くにしても、旅で行くにしても。 いつも、はずんだ気分で。 そこで寺本夫妻に会うとさらに嬉しくなってはしゃいでし…
昨日のお土産、国立のバンブーのメレンゲとマロンパイ。 国立のバンブーはムッシュソレイユの竹内さんのお店だ。 昔よく、西荻窪のムッシュソレイユに行くと買っていたものを、いまはここで買う。 それにしてもこのメレンゲ「ムラング・プレーン」は、大きく…
シリーズ3冊目となる『みんなのコーヒーブック』に文章を書かせていただきました。今回は『みんなのコーヒーブック with bread』なのです。 巻頭「ブレッドジャーナリストの1週間日誌」です。 ブレッドジャーナリストという肩書きは、友人がつけてくれました…
銀座のエスキスは友人が器などのコーディネートや通訳で関わっていることで知り、いつか行ってみたいとひそかに思っていたお店。お祝いごとの機会があったので、予約を入れました。 果実をどこかにしのばせた美しい一皿一皿に名前はなく、目を閉じて、ひとく…
先日「わたしの素敵なパン時間」インタビュー後に、アラン・デュカスさんのお気に入りパン職人、クリストフ・ヴァスールさん×ブノワのスペシャルメニューをいただきました。 一品一品にクリストフさんのスペシャリテ、「パン・デ・ザミ」が付いてくるのに加…
食のセンスある方々にパンの愉しみについて伺う『わたしの素敵なパン時間』 (日清製粉 「創·食Club」、NKCレーダー、NKCレポートにて連載中)第34回目はデュ・パン・エ・デジデのクリストフ・ヴァスールさんでした。 『わたしの素敵なパン時間』も目標100人…
9月11日、コンテチーズ生産者協会主催、飛騨高山のトラン・ブルーの成瀬正さんによるコンテを使ったパンのセミナーが日仏商事にて開催されました。 コンテはフランス産AOP(原産地呼称保護)チーズの中で一番の生産量を誇るチーズ。 直径60センチ、高さ10セ…
昨日の辻調塾は「ニッポンの給食を考える」。『めざせ! 給食甲子園』(講談社)著者の神山典士さん、文京区青柳小学校の栄養士、松丸奨さんのお話を伺いました。 神山さん曰く、初めて会った人とも給食の話になると誰でも何か言いたいことを持っていて、会…
いつも読んでくださって、ありがとうございます。 清水美穂子【Bread Journal】にて随時お伝えしていますが、こちらにも記しておきます。 また、コメントのお返事が遅れてしまっていますが、これからお返事いたします。 ありがとうございます。 ◇All Aboutの…
レフェクトワールで大人の文化祭が開催された。 大人の文化祭 パンのイベントではないのです。 ル・プチメックの運営する食堂レフェクトワールで、いい大人たちが、素敵な音楽やおいしい食べものとともに、作品を披露したり販売したり、それを眺めたり食べた…
レフェクトワールの壁で約3週間にわたり、詩と写真のコラボレーション、cloud9 exhibitionを開催させていただきました。 お越しくださった皆さま、ありがとうございました。 詩も写真も、表現の方法。それは自分の想いや、心に浮かんだ情景を伝えます。パン…
レフェクトワールで開催中の個展、cloud 9 exhibitionに来てくれた 友が、おすすめのパン屋さんがあるといって、教えてくれた。 そこでちょっと、店の手伝いをしたのだという。 その店のことを、まえに何回か、聞いたことがあった。 けれど、教えてくれる誰…
早朝も夜中も30度を下らないという猛暑の今夏。 パンがいちばん売れない季節らしいのに パーラー江古田は賑わっていました。 イタリアンバールが好きというオーナーの原田浩次さん。 並んで待って、腰かけて、そのあいだもひっきりなしに人が 行きかって、こ…
銀座の三越でパン焼き網を見つけたので買いました。 京都高台寺「金網つじ」製。 ガスコンロにのせて焼ける、セラミック付きの網です。 猛暑の日々ですが、これで朝のトーストが楽しみになりました。 焼き加減はどうかな。試し焼き中です。
facebook 清水美穂子【Bread Journal】ではお伝えしていますが 8月9日、吉祥寺にBoulangerie Bistro EPEEがオープン。 記事はAll Aboutで近日中に。
辻調グループの創設者、辻静雄ライブラリー(全7冊)の1冊目『フランス料理の手帖』(1973)の復刊を記念して、代官山の蔦屋書店で開催された辻調塾に出席しました。辻調塾のことは何度かここにも書いていますが、食やメディアの仕事に携わる人たちの学びと…
エレベーターを降りると、雲が浮かんでいます。 個展初日が終わりました。お越しくださった皆さまに心より感謝しております。 どうもありがとうございます。 ■cloud 9 exhibition at Réfectoire 日時:8月5日~22日 11時~21時、 場所:レフェクトワール ル…
以前ここにル・プチメックの壁のことを書いたけれど、きょうはレフェクトワールの壁の話。 レフェクトワールは、神宮前のTAKEO KIKUCHIのフラッグシップショップ3Fにある、ル・プチメックの経営する食堂だ。 レフェクトワール(ル・プチメック)【神宮前】 …
コムギケーション倶楽部のプレスセミナーで製粉会館へ。 コムギケーション倶楽部とは、小麦食を通じたコミュニケーションでさまざまな活動を行う団体で、メンバーは財団法人製粉振興会、製粉協会、協同組合全国製粉協議会、一般社団法人日本食農連携機構。 …
青山のブノワで、プレスランチ 「J'AIME PARIS ジェーム・パリ~アラン・デュカスのお気に入り~」に出席。 この夏から来年の初頭にかけて、ブノワ(東京)、ル・コントワール・ド・ブノワ(大阪)で期間限定でデュカスさんおすすめの、パリのグルメを愉しむ企…
VIRONの西川隆博さんが21日、新しいお店を銀座にOPENする。 それに先駆けて準備中の店に取材に伺った。 ほんとうにおいしい食パンの専門店を作りたいと思っている。 素敵な構想を彼に聞いたのは、何年も前のことだった。 ガード下の小さな店でいいと思ってい…
8年ほど前、たいへんお世話になっていたTさんのお誘いで訪れた青山の期間限定カフェで、マフィンを焼いていた雨宮麻衣子さんが、その後海外のベジタリアンレストランで働いて、今はリニューアルしたばかりの新宿伊勢丹2F"トレンドクローゼット"フロアのジュ…
All Aboutの更新情報をBread Jounalのfacebookページでだけご紹介してこちらには書き忘れていました。 ダンディゾン 吉祥寺 「自然」という言葉は、とてもあたりまえに使い古されていてそれじたい、普段あまり意味を考えてみない言葉だが、ダンディゾンでパ…
5月30日、代官山蔦屋書店ラウンジAnjinにて、第4回辻静雄食文化賞の贈賞式がありました。 辻静雄食文化賞とは、辻調グループ校の創設者、辻静雄さん(1933~1993)の志を受け継ぎ、食文化の発展に貢献した人の活動や作品に贈られる賞です。 今年受賞されたの…
10年後に、という名を冠してスタートしたダンディゾン。 10周年を迎えたら、厨房の壁時計が床に落ちて割れた。 でも、大丈夫。パンを焼く木村昌之さんの体内にはより正確な時計がある。 時計だけではなくて、温度計も湿度計もある。 彼は数字に頼らないで、…
アメリカンマフィンも好きだけれど、イングリッシュマフィンも好きだ。 そのふたつは別のものなので、好きさを、比べられない。 ここのところ、チクテ(銅板で焼かれる、ふわふわのクッションのような)、紀ノ国屋(パンを切らしたときはいつもこれに頼る)…
ニューヨークが好きで、といっても、もうずっと行っていないから いまのことはわからないのだけれど、80年代から90年代の半ばまで 何度も何度も訪れている。その時、心惹かれた食べもののひとつは マフィンだった。 日本でつくられると、小さくてきめこまか…
京都、今出川通のル・プチメックの店内の壁には 店を訪れた人によるさまざまなサインがある。 カトリーヌ・ドヌーヴのサインも。 へぇーそうなんですか。本物? と聞いたのは金曜日の夜のことだった。 教えてくれたNさんは、そりゃ本物でしょう、と言ったも…
Boule Beurre Boulangerie。 2006年に八王子の商店街で窓越しにパンを売る小さな小さなパン屋さんから始まって、いまは空いたお隣一軒分ひろくなって、お店の中に入って買えるようになった。 わたしの夫は建築を生業にしていて、とくにパン屋さんなどの小さ…
辻調塾にて、『ファッションフード、あります。』の畑中三応子さんのお話を伺った。 1970年頃、量も栄養も満ち足りて、情報の時代となって始まったポップカルチャーとしての「ファッションフード」史。 西洋崇拝系、和洋折衷系、栄養神話・不老長寿系などな…
23日はパン文化研究者、舟田詠子さんの講演で、上智大学のソフィアンズクラブへ。 先日こちらでもお知らせした、そのテーマは「マントヴァのふたりの姫の運命とふたつのパン」。 マントヴァのGonzaga家の次男、Francescoが枢機卿になるという。 その知らせを…
週末、吉祥寺で開催されたローズベーカリー創始者のローズ・カッラリーニさん来日&"How to Boil an Egg"出版記念イベントでMCを務めさせていただきました。 続々オープンするお店の人気の秘密、新刊の内容とデモンストレーションなどがおもなトーク内容でし…
カフェに座ってコーヒーを待っていると、静謐という言葉を思い出した。 でもそこにあるのは、はりつめる静けさではなく、のんびりとした静けさ。 近くに座っていたひとが、昼食のあとのコーヒーをのみながら 「静かだね」と言った。しばらくして、「うん、静…
取材をしていると、テーマから微妙にずれていき、 気がつくと彼らの生き方を、世の問題点に対する行動を聞いていたりする。 そのひとの作品よりも、そのひとの人となりに興味があるということを隠せず、 そのまま扉をあけてしまう。 帰り道、手にしているの…
ダンディゾンの後、この10年のこと、これからの10年のこと、 考えながら、公園を歩きました。 ダンディゾンの。それから、自分の。 パン・オ・ルヴァン パン・ド・ロデヴ ベーカーズナイフ持っていかないと、公園でパクッ、と食べることも ままならぬけれど…