2009-01-01から1年間の記事一覧

年越しのテーブル

大晦日、姉(わたしが勝手にそう思っている友人)と その旦那さまがおいしいものを携えて訪れた。 おいしいものとは、久兵衛のお寿司と、 ケンズカフェ東京の「特撰ガトーショコラ」。 ガトーショコラは濃厚で、つめたいままなら バゲットなどにバターのよう…

冬の森から贈られたパン

南伊豆からパンが届く。 写真はサルナシ酵母のパン。 石窯ならではのクラストがこうばしい。 サルナシとは、キウイフルーツの原種に近い果実で ラベルの写真を見れば、まるでミニチュアキウイ。 職人の増田光男さんは、サルナシのほかにも 冬イチゴなど、さ…

忙しい日の定食

数日前まで、スペルト小麦のパン(ほんとに素晴らしい!)に 薄切りハムとサムソーチーズでつくったタルティーヌばかり 食べていた。 大きな鍋でつくった野菜スープを、 NYのカフェみたいにたっぷり添えて。 忙しいからと、PCに向かって食事をしても ますま…

ブレッド&サーカス、大きな器

味、香り、食感、姿かたち、音……五感で受けとるほかに まだ何か、感じるものがある。 抽象的な表現になるのだけれど、 大きくて「大丈夫」な感じ。たっぷりとゆたかな感じ。 大きな器にたっぷり入っていて、尽きることのない、 おいしくて楽しい記憶。そこか…

ベストパン★2009、発表しました

ベストパン★2009、発表しました。 * ここ数日ずっと記事に向き合っていた。 書いているというより、透明な編集者になっていた。 たくさんの人の、想いのこもった言葉を束ねて、花屋さんのように、並べた。 贈る人、贈られる人のことを考えながら、眺めていた…

冬至の頃のパン

昔の人たちは夜が長くなる冬至の頃、この世の終わりを感じて 新たな年を祈りました。 『ヒトのかたちをしたパンは何を意味する?』魔物のパン より 今年も残り10日を切った。 昼が短く夜が長い冬至の日。 冬至は昔のひとにとって、ここまでをリセットし、こ…

ベストパンのこと

今週末にベストパン★2009を発表します。 システムの方のおかげで、ランキングは決定しましたが、 お店への取材に時間をかけています。 個人的に、わたしひとりでは、コンテストのような条件なしに 1位、2位……10位などという格付けはできるわけもありません。…

浅草で、粟ぜんざい

夫が草履を買うというので、百貨店につきあい、 老舗の高級品と安価な”もどき”ものの極端に戸惑い、 それじゃ浅草、と「丁度良いもの」を探しに足を伸ばした。 パン同様に、素材と職人技と手間のかけかたに、 価格は反映するようだ。 高いも安いも、それとわ…

これが、パンというもの

こんなにおいしいパン、食べたことない と、今年は何度、思ったことだろう…… その時々の思いについては、あらためて書くとして、 今日のおいしいパンに、感謝。 これこそ、わたしの考える「パン」というもの。 理想に、とても近いところにあると感じながら …

パン工場見学と銀座のクリスマスツリー

パン工場見学に行った。 工場、といっても工業製品を作る場ではなくて 普通のパン屋さんのパンコウバの規模を、 大きくして、人の数を増やしたような工場だ。 パンはもちろん、手作業で成形され、窯に入れられる。 小さなパン屋さんと同じメーカーの機械があ…

Love&Rusk/Rusk des Chocolat

ハードラスク/ノワール(上)、ソフトラスク/ブラン(下) ドミニク・サブロンのLove&Ruskから春先までの期間限定で チョコレートをコーティングしたラスク ド ショコラが発売された。 牛乳仕込みのパン・ド・ミはサクっとしたソフトラスクに、 北海道産小麦…

忘年ホームパーティ

フランスやドイツの伝統、という前に日本の伝統だ と思った日から、きものを着る頻度も増えた。 今年は日常的にきものを着た年だった。 先日、文化学園服飾博物館で開催されている「三井家のきものと下絵 ~円山派がもたらしたデザインの世界」を観にいった…

エシレのバッグとサブロンさんのマカロン

最近、いただいたプレスリリースから、 プレゼントされたらうれしい、心惹かれたものをふたつ、ご紹介します。 ひとつは、今でも行列が絶えないエシレ・メゾン デュ ブール(丸の内) で先月末から販売されているトートバッグ(2100円/2940円)。 エシレのロ…

ベストパン★ランキング

All About恒例ベストパン★2009に投票してくださった皆さま ありがとうございました。 思いかえせば、8年ほど前。 All Aboutの読者はどんなパン屋さんが好きなのかな?という 個人的興味で、このベストパンという企画を思いつきました。 毎年、読者の皆さまか…

パンとおかしグルヌイユ

グルヌイユもまた、他の多くのパン屋さんと同じように 数年前、たしか、読者のかたに教えてもらったのだ。 カエル好きなので、その店名を忘れなかった。 (夏に家の裏で合唱する蛙、雨蛙、セサミストリートのKermit the Frog、 鳥獣戯画の蛙、昔話の「京の蛙…

元気な野菜の気をいただく

福井のパン工房、野の花さんから、畑の野菜を送っていただいた。 以前お会いしたとき、庭や自家菜園の話をしていたのだけれど、 本当に送ってくださった。 ベビーコーンのことを書いて、いろいろ考えていた まさにそのときに届いたので、びっくりした。 大根…

Fresh Baby Corn

きのうはワインやチーズのほかに、 ロデヴに合うちょっとした料理がふるまわれた。 紅芯大根やカブなど冬の温野菜がすこぶるおいしかった。 その中に入るはずだったベビーコーンを、うっかり忘れて しまったということで、ひとり1本ずつ、お土産になった。 …

仁瓶さんのパン・ド・ロデヴ

丸の内のドンクで、仁瓶利夫さんを囲んで、 パン・ド・ロデヴを愉しむ集まりがあると聞いて 仲間にいれてもらった。 聞いたのは半年前くらいだから、ずっと楽しみにしていた。 さまざまなパン・ド・ロデヴ。味の濃いワイルドブルーベリー入りも ロデヴ。フラ…

スコーンとガトーショコラ

紅茶にスコーン、 コーヒーにガトーショコラ。 今日は一日中、お茶の時間に なってしまいそうだ。 パン屋さんのお菓子は ざっくりと素朴なところがいい。 その、日常の感じも。 これから書く、今年最後のお取り寄せ記事に、 このお菓子を載せます。

塩えんどう豆のパン

以前住んでいた、お寺のある町の豆屋さんでは 8のつく縁日だけ赤えんどう豆の塩茹でが売り出された。 赤えんどう豆は甘いのより塩味が合う。 赤えんどう豆は、あんみつ、豆かん、豆大福。 豆大福は皮が薄くて豆が多いほうが好きだ。 三角の豆餅は最近見かけ…

ブレッド&サーカスのお取り寄せ

何でも早く、手間をかけずに簡単に、便利にすませているのに、 なぜかみな、ますます時間がなくなって、忙しさが加速している 気がする。 ミヒャエルエンデの『モモ』に出てくる時間泥棒の男たちの存在を 感じずにいられない。 そんな世の中に、せめて大切な…

紅葉とシュトレン

今日から12月。 この月もまた、瞬く間に過ぎていく。 ドミニク・サブロン、薫々堂に続き、 既に今年3つめとなるシュトレンを開けようとしている。 クリスマスまで少しずつ食べていく、時期的にはちょうどいい。 気象庁の観測によれば、紅葉の時期はだんだん…

CICOUTE/MEMORIES

ちくちゃんにパンをお願いしていた。 コーヒーマグで手を温めながら 久しぶりのパンを一口かじると、 豆頬髭犬マフィンと参加したピクニック、 寒空の下で楽しんだ温かい料理とパン、 チクテ会のことを思い出した。 真綿色の頬髭をふるふるさせながら 静かに…

パングランプリ、掲載しなかったパン

決定!2009パングランプリ東京。 記事をUPしました。 写真は、記事には掲載していないパン。 審査は店名を伏せて行われ、わたしはこれがどこのパンか わからなかったけれど、しばらくその前を離れることが できなかった。 このクリームパンは、誰かと頷きあ…

We Japanese

義父に同行して、定期的に参加している 牛場リスクマネジメントサロンのセミナーで 横浜グランドインターコンチネンタルホテルへ。 リスクマネジメントの世界大会で出会う人々に このごろの日本人は自国に関する知識よりも欧米に 関する知識のほうが豊富なの…

2009パングランプリ東京表彰式

東京の6つのパン組合が10月に開催したパングランプリ東京の 表彰式が八重洲富士屋ホテルで行われました。 最優秀賞の東京都知事賞はエスプランの塩田一善さん。 おめでとうございます! 今月中に公開予定で、今からレポートを書きますので 詳細はそちらにて。

パンが届く前日、当日、翌日

ひよこ豆を買ってきて、スープを作ろうと思ったのは とっておきのパンが届く準備だった。 浸水しておいた豆を茹で、テーブルを午前中の 光が入る場所にセッティングする。 パンを待ちながら、野菜を刻んで、 スープ(chick pea &cabbage)をつくる。 宅急便さ…

A Year of Mornings 3191 Miles Apart

amazonから取寄せたばかりの写真集『A Year of Mornings』を 眺めている。 "3191 Miles "とは、この写真集を作ったふたりの女性が住む 米国の東海岸と西海岸、メイン州のポートランドとオレゴン州の ポートランド(偶然同じ地名)の距離のこと。 ふたりは一…

Pain aux noix chocolat

ノリエットのヴィエノワズリ、 クルミとチョコレートのうずまき型クロワッサン。 その国の食文化を受け入れよう、と心に決めたら、 慣れるまで食べ続けてみること。 経験のない舌は、おいしい、おいしくないを ちゃんと評価できないものだから。 昨日の会話…

ノリエット 永井紀之シェフインタビュー

食のセンスある方々のパンの愉しみについてインタビューする 『わたしの素敵なパン時間』vol.15 は、ノリエットの永井紀之さん。 下高井戸の隠れ家のようなフランス料理店、 ビストロ、ル プティ リュタンで午後にお話を伺う予定だったので、 早めに行って、…

わざわざ行きたいおいしいパン屋さん

ベストパン★2009 投票中です。 毎日通いたい、わざわざ行きたいおいしいパン屋さんに、 ぜひご投票ください。お待ちしています☆ さて、今日は『東京 わざわざ行きたい おいしいパン屋さん』をご紹介しました。 雑誌のパン特集や、パン屋さんのガイドブックの…

スキッピーのそんなにあまくないところがジャムを呼ぶ

多くのアメリカ人のように、ピーナツバター信仰が あるわけではないけれど、食料棚にスキッピーを常備している。 グレープジェローがないからブルーベリージャム、 あるいはハチミツやシナモン、気が向けばバナナと 気分で合わせて愉しむ。 10年ほど、こんな…

貝殻のかたち

神戸屋キッチンで、いつものスコーンを買うときに リンゴのパイに目がとまった。 貝殻のような、生地の層。 有機的なフォルムに惹かれる。

鯛焼きとパン

時々、材木屋さんの前の空き地に出店している 移動の鯛焼き屋さんで、熱々を買う。 大好きな浪花家総本店のと、どちらが好きかといわれたら困る、 どちらも甲乙つけがたいおいしさの、その鯛焼きをかじりながら 歩くと、しだいに手もからだも、心も温まって…

ワインがおいしいレストランのパン

久しぶりの友人と会うことになり、 行きつけの西麻布のイタリアンレストランに 連れていってもらった。 下調べも何もせず、ただ詳しいひとに 連れていってもらうって、安心で、いいな。 ワインの勉強をしているという友人の おすすめなので、ワインが楽しみ…

第7回ガレット・デ・ロワコンテスト

家族や友人との、楽しいひとときをつくる フランスの伝統のお菓子、ガレット・デ・ロワは クリスマスの後、新しい年があけると パン屋さんやお菓子屋さんの店先に並ぶのだそうです。 日本では、伝統菓子の魅力の奥深さを伝える クラブ・ドゥ・ラ・ガレット・…

シュトレンの香りに魅了される

新しい記事をUPしました。 スライスするときに、カッティングボードにこぼれる パウダーシュガーまで、アロマティックなシュトレンは、 サブロンさん秘蔵のルヴァン種と、榎本さんのルセットによって つくりあげられています。 美味しさの秘密は、白ワイン、…

薫々堂のヴェックマン

以前、ここで紹介した薫々堂のイベント 「パン屋さんのクリスマスマーケットへようこそ」が 日曜日に開催されました。 わたしは残念ながら行くことができなかったのですが パンやお菓子に関心の高いかたが集まって それはそれは楽しい雰囲気の中で、クリスマ…

BREAD,ESPRESSO&

コインパーキングがなんだか目立つ気がする外苑から青山、表参道界隈を歩きながら、 このあたりも随分変わってしまったなぁ……と、ちょっと、ノスタルジックな気持ちになる。 青山はいろいろと、思い出深い場所なのだ。 でも、街が変わっていくのはあたりまえ…

栗と柚子のセーグル

稽古仲間に……(といってもわたし以外皆先生なので、 仲間といってよいかわからないが)に、庭の柚子を分けてもらった。 栗が終わり、柚子の季節が始まる、炉開きの頃。 栗と柚子のセーグルは年中手に入るだろうか。 久しぶりにル・プチメックでバゲット以外…

ポム・ド・テール、リニューアルオープン

西荻窪のポム・ド・テールがリニューアルオープン。 幾たびか、模様替えが行われているけれど、 今回は大きくリニューアル。 カフェスペースをなくし、大きなオーブンを入れて 工房を広くしたのです。 新しい朝、活気に満ちた店に、お邪魔してきました。 試…

赤い靴

少し前に、仕事でTOYOTAのiQに試乗しました。 TOYOTAは何台か乗っていますが、こんなコンパクトな車は初めて。 たとえて言うなら靴みたいで、おもしろかった。 試乗したのはキュートな赤い靴でした。 iQ×PERSON'S REVIEW テーマはいつもsomething good

香りは雄弁

おいしいパンの、最も大切な要素に「香り」がある。 以前、アンケートをとったときにも、香りのことを あげる人は多かった。 「おいしい」と同じで、「いい香り」もまた 人によって千差万別かもしれないけれど。 素材選び、酵母種、技術や工程や時間の経過が…

ベストパン★2009 投票開始

読者の選ぶお気に入りパン屋さん、 ベストパン★2009、投票が始まりました。 ベストパン★2009 投票開始 今年一番通ったお店、今年出合った素敵なお店、 いつも大好きなお店とそのパンたちを、よかったら教えてください。 投票は一人2軒まで、できるようになっ…

ジュリー&ジュリア

12月に封切られる映画『ジュリー&ジュリア』の試写会に行ってきました。 「食べることが好き、そこからすべてが始まった」なんて、わたしたちに ぴったりだねぇ……と、誘ってくれた友に感謝。 メリル・ストリープの扮する、アメリカ人料理研究家ジュリアは 1…

冬のパン

あちこちで、門のところの置かれたジャック・オ・ランタンの 飾りを目にする頃になると、犬のマフィンのことを想う。 下のほうに白目の三日月ができるキラクリの目や、黒くてつめたい鼻や まっしろな頬髭のことも、ひなたのような匂いも、 別れてからもう、3…

BROT-TEIL DES LEBENS

パン文化研究者、舟田詠子さんから講演のお知らせをいただきました。 今回は、ドイツの出版社から届いたばかりの舟田先生の ドイツ語で書かれた新刊 『パン 人生の一部』の内容が語られます。 日時:2009年11月13日(金)19:00 ~ 21:00 場所:新宿西口ハロ…

庭の柿

近所のかたに、パンを差し上げたら、ジャムをいただき、 栗の渋皮煮をお返ししたら、庭の柿をいただいた。 そういえば、柚子のこともあった。 土地のもの。季節のもの。庭の果物は、憧れ。 ほどよく熟れた柿は、クリームチーズとあわせて サンドイッチやタル…

エスカルゴという名のパン

先日、落ち葉を掃いていて、溝に落ちていた葉を 素手でつかんだら、ホームレスのエスカルゴ(Guess what!) を触ってしまい、固まった。これから気をつけよう。 それはともかく、 パンとコーヒーの匂いが、いつもより濃く漂う気がする雨の日。 今朝のパンは…

寒空の下でランチ

冬みたいな寒さの中、シュールムジュールのテラスで昼食。 本日のメニューは、ゴボウのスープに始まって、パンとサラダ、メインに デザートはリンゴのクレープ、コーヒーで締めくくり。 どれも丁寧に作られているとわかる味なのに、これで1000円。 ほっと、…