職人仕事礼讃

母が亡くなって、日々の仕事を以前よりありがたいと思うようになった。

数えてみたら、十を越す仕事の波がうねりながら押し寄せていて

喪失感の波にザブンとかかって、まじりあう。

わたしはどちらに溺れそうなのか、一瞬、わからなくなる。

今は、泳ぎに集中しよう。

愛情をもって、職人のように仕事しよう。

Diary100817

「ほんとにパンが好きなんですね」とよく言われる。

「ほんとにパンが好き」なことに間違いはないけれど

愛好家でもマニアでもなく、毎日、お米のごはんで

一汁三菜、季節のものを作って食べている。

おいしいパンを食べに行こう、といわれるより

おいしいお酒を飲みにいこう、といわれるほうがうれしい。

何より好きさ加減、酔狂さでいったら、きものが好きだ。

ただわたしは、パンに対する変わらぬ想いがあり、

それが、上記のすべてにも共通しているようだ。

伝統的なものが好きということ。

手仕事の時間、それをゆっくりいとおしむ日常が好きということ。

そこにある、名も知れぬ職人の存在を敬う気持ち。

職人仕事礼讃。