TARTINE BAKERY & CAFE
サンフランシスコの人気ベーカリー、TARTINE BAKERY & CAFEがこの春、代官山で店をオープンする。
タルティーン ベーカリー&カフェ日本上陸 [パン] All About
レセプションの日、朝から1時間ほど、オーナーシェフのチャド・ロバートソンさんのお話を伺った。これは『わたしの素敵なパン時間』連載の取材でもあった。
わたしは20年ほど前に、サンフランシスコに行った時のことを思い出していた。
その頃はパンのジャーナリストではなかったけれど、サンフランシスコの食に興味がとてもあって、ACME BREADのSTEVEさんのパンを食べたり、Alice Watersのカフェに行くのが目的の旅だった。チャドさんはニコニコしながら、STEVEとは友達で、STEVEおじさん、と呼んでいるんですよと言った。
夕方からのレセプションで、チャドさんの本を買って、春までに読むことにした。
読み始めてすぐ気が付いた。最初の数ページに、チャドさんがあの朝、わたしに話してくれたことが書かれてあった。先にこれを読んでいたら、もっともっと深い取材ができたのに。わたしは、インタビュアーとして、まだまだだ。
せめて、お店がオープンするまでには、読まなくちゃ。
本は数冊あるうちから、文章も充実した、写真が美しいものを選んだ。
眺めているだけで心地いい。
写真家はERIC WOLFINGER、前職は料理人でありパン職人。エリックさんはサーファーでもある。パンの経験のなかったある日、チャドさんのところへ訪れ、パンを教えてもらう代わりにサーフィンを教えた。
Surfing in the morning and baking in the afternoon......What a ideal life!
ここ数年持ち続けている「パンはペイン」というシニカルな考えが薄れていった。
何かが、変わるかもしれない。