黄桃蜜のトーストと残り香

安く手に入れた黄桃は
カリカリと噛む音がしてしまうほど
りんごのように固かったので
コンポートにしたら見ちがえた。

桃の香りのする透明な蜜をひとしずく
薄切りのバタートーストにたらしたら
はちみつともジャムとも違う
透明な甘さが心地よかった。

たくさんあったら、冬の分まで
つくっておくのに
わたしが煮たのは一個だけ。

あとはヨーグルトを雪のようにかけて
空気の中に残る香りまで愉しんだ。