山荘のごちそう

オープンエアの食事は、おいしいものをよりおいしくする。

大切な誰かと一緒に食べると、もっとおいしくなる。

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友人の黒田秀雄さん、民子さんご夫妻(All Aboutキッチン+

ホームメイドクッキングガイド)の山荘に遊びに行きました。

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緑滴る森の庭をのぞむテラスでいただいた夕食は

パンとチーズとワインに自家製のスモークサーモン、

レバーやナスのペースト、実山椒の佃煮と生ハムのサラダ、

炭火焼のスペアリブなどなど。

パンはメゾンカイザーコシュカバゲット、フィグのパン

などいろいろ調達していきました。

チーズはダナブルーとアベイドベロック。

アベイドベロックは羊乳製。コンテに似たコクのあるチーズです。

時折気まぐれに降る雨や、裏を流れる川の水音に

耳を傾けながら、ろうそくの灯り、炭の火を眺め、

料理を楽しんで、気がつけば夜も更けてワインが3本近くも

空いていました。

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民子さんが話してくださる料理の話は楽しく、見習いたいことが

たくさんありました。「どこのブランドの何々を使って……」

ということがほとんどなく、季節の、土地のもので家族のために

手をかけて(ぜーんぜん大変なことはないのよ、といいながら)

日々の料理をつくるやさしいひと。

民子さんばかりでなく、秀雄さんも得意料理のスモークサーモンや

ベーコンなどに腕をふるってくださいました。

本業と少し違うところで、こんなにもプロフェショナルに。

素敵です。

本業といえば、秀雄さんが数年前にデザインした「エコキッチン」

拝見しました。曲げワッパのシンク、柄杓、七輪、スローなパン作りの

ための石臼までセットされた秋田杉のミニキッチン。

お金を払っても、食べることができないおいしいものは

家族や友人と楽しもうとする料理の中にあるのです。

その食事の記憶は、心とからだに永久保存され、タフでハードな

日のためのサヴァイヴァルキット、大きな力になるのです。

山の気温は約18度。薪ストーブの前で、食後のひととき。

連日30数度だった東京はもう、遥かかなたです。

眠る前、降るような星空を久しぶりに見ました。

短い夏休みの、素敵な一日でした。