秋の気分

秋になるとわたしは、ドライフルーツやナッツのぎゅっと濃密なパンを食べたくなる。 乾燥していた果実はパン生地の水分で、すこしだけ過去の姿にかえり、 ジャムのように艶のあるみずみずしさで、視覚をあるいは触覚を魅了する。 そしてもうひとつ、秋といえ…

パンとジャムとコーヒーと

久しぶりに梅雨空が戻ってきた日曜日の朝、ゆっくり起きて たくさん届いたサクランボを少しだけジャムにしながら これもまたいただきもののコーヒー豆を挽く。 コーヒー豆を挽くためにしか使っていなかった フードプロセッサが壊れてしまって 手回しの、コー…

大雪の翌日は熱々のナンで

昨日の東京は久しぶりの大雪に降りこめられてしまったけれど、きょうは一転して良いお天気。車も少なく、空気もクリアな気がする。 都知事選の投票の後、いつものネパールカレーのお店へ。パンパンと音を立てて伸ばして、焼きあげるナンとサラダとチャイがつ…

ワイン好きを喜ばせるオリーヴバゲット

昨年の終わりころに発売されたル・プチメックのオリーヴバゲット。 グリーンオリーヴとチーズ入りで、生ハムバゲットと同じくらいワイン好きを喜ばせているバゲットです。 挟んだり添えたりしないで、バゲットの中になにかいいものをたっぷり詰めこんでひと…

Year's end sweets

今年のクリスマスはsens et sens(サンス エ サンス)のシュトレンでカウントダウンした。 とても丁寧につくられたシュトレンだった。 自家製レーズン酵母、北海道産の小麦。無花果や杏の瑞々しさがよかった。 スライスして皿にのせると、年末の慌ただしさが…

お昼にパンを

お昼に松陰神社前のブーランジェリースドウの近くを通りかかるという幸運。 ちゃんとした食事を摂ることをあきらめて、間に合わせのように「お昼はパンでいいや」とはならないパン屋さんでお昼を買う。ワクワクするひとときです。 のせたり包んだりした具の…

ブレッド&サーカス、旅の入り口

おいしいことと、楽しいことと。 湯河原は東京から、簡単には行けない。 わたしにとっては、計画して行かなくてはならない場所だ。 仕事で行くにしても、旅で行くにしても。 いつも、はずんだ気分で。 そこで寺本夫妻に会うとさらに嬉しくなってはしゃいでし…

食堂の大きなテーブルの幸福

レフェクトワールの壁で約3週間にわたり、詩と写真のコラボレーション、cloud9 exhibitionを開催させていただきました。 お越しくださった皆さま、ありがとうございました。 詩も写真も、表現の方法。それは自分の想いや、心に浮かんだ情景を伝えます。パン…

夏のパーラー

早朝も夜中も30度を下らないという猛暑の今夏。 パンがいちばん売れない季節らしいのに パーラー江古田は賑わっていました。 イタリアンバールが好きというオーナーの原田浩次さん。 並んで待って、腰かけて、そのあいだもひっきりなしに人が 行きかって、こ…

パン焼き網を買いました

銀座の三越でパン焼き網を見つけたので買いました。 京都高台寺「金網つじ」製。 ガスコンロにのせて焼ける、セラミック付きの網です。 猛暑の日々ですが、これで朝のトーストが楽しみになりました。 焼き加減はどうかな。試し焼き中です。

イングリッシュマフィン

アメリカンマフィンも好きだけれど、イングリッシュマフィンも好きだ。 そのふたつは別のものなので、好きさを、比べられない。 ここのところ、チクテ(銅板で焼かれる、ふわふわのクッションのような)、紀ノ国屋(パンを切らしたときはいつもこれに頼る)…

バターのこと

個人的な嗜好として。 朝食はたいていパンを温めて、バターをつけて食べる。 バターはつめたいものが、温かなパンと体温によって、口の中で溶ける瞬間が好きだ。 バターが手に入らなければ、オリーブオイルをつける。 なにもつけないこともある。香りが大切…

Boulangerie Sudoのシュトレン

Boulangerie Sudoのシュトレンが素晴らしかった。須藤さんのシュトレンは独立前のお店の時以来でしたがセンスと技術をあらためて感じました。 シュトレンはたくさん食べるものではないし、わたしは毎年、自分の好きな感じのものがひとつでもあれば大満足なん…

チキンと野菜のサンドイッチ

ここでは久しぶりの日々のパン、の写真。 きょうのランチはローズベーカリーのピタサンドと神戸屋のサンドイッチでした。 どちらもチキンと野菜のサンドイッチ。 ローズベーカリーはゴマのソース、神戸屋はたまり醤油。 野菜をはじめ、具がたっぷりのところ…

HATAKE CAFE

伊勢丹に先日オープンしたばかりのHATAKE CAFEで 野菜たっぷりのサンドイッチの昼食。 久しぶりにおいしいサンドイッチを食べました。 十数種類の野菜のサンドイッチも、 ベジバーガーとエビとアボカドの焼きサンドも パンと+something goodの量がほどよいバ…

近況

Bluemoon(月に二度目の満月)の翌朝。 Once in a bluemoonという英語の慣用句は 「とても稀なこと」を意味する。 Bluemoonより稀だったのは今朝の天気で 土砂降りの天気雨で目が覚めました。 熱帯のくにのスコールのような そして、ここは3階なのに、機上のひ…

FAVORITE WORKS

先日、アステリスクのIBIZAというケーキを食べました。 わたしの大好きなフランボワーズと、クレームブリュレと、 ルバーブと、マカロンがちいさなケーキの中にキュっと 詰まっていて、 ああ、好きなもののカタマリ! と思ったのでした。それをきょうも体験…

杏トースト

朝食を二回、食べてしまった。 正確には、昼食に、朝のようなトーストを。 早朝から深夜まで忙しい一日。 自家製ジャムは、こんなときも 気持ちが寂しくならない。 混沌とした慌しい日常のなかで シンプルな食べものの持つ力。 夜にはちゃんと、食事をしよう…

夜更けの台所仕事:杏の蜜煮

明日の朝のためにと、昨晩は、杏を煮ながらPCに向かっておりました。 我が家は、仕事場もキッチンもダイニングもすべてひとつの空間なので 油断してしまうことが多々あります。 案の定、吹きこぼれてしまい、、、夜更けの拭き掃除。 今朝は杏ジャムでタルテ…

甘い朝食

昨晩夜更かしをしたから、 朝につよいわたしでも、さすがに眠い朝。 涼しくて、いつまでも寝ていたい。 けれど、建築屋の朝は早い。 ねぼけまなこで、甘い朝食。 はちみつバターのミッシュ バゲットのチョコサンドに コーヒー。 それに大麦若葉のジュースと …

ナカガワ小麦店

京都の下鴨神社近くの、ナカガワ小麦店。 仕事帰りに寄りました。 わたしにしてはかなり壮大な寄り道であります。 小麦の味がする、とわたしたちが感じるとき、 それは小麦そのものの味ではなくて、ミキシングや発酵や焼成や さまざまな工程を経たパンの味に…

a sandwich today's style

きょうはミニッツサンドをつくります。 さて、何をはさみましょうか? 先日の撮影に納得がいかなくて せっせと作って取り直しをしました。 それでもまだまだ、あれこれこだわりたい こんなとき、わたしも職人さんの気持ちになっています。 職人でも写真家で…

Minute Lunch Tartine

急いで出かけなくてならなくて、腹ごしらえに ミニッツタルティーヌを2種。 ミニッツタルティーヌとは。 たった今、わたしが即席で作った造語です。 まさに即席、5分以内でできます。 冷凍庫から出したカンパーニュ2枚。 トマトとクリームチーズと天然塩。 …

たま木亭

時々、素晴らしいパンに出合うと 家族や友達に、食べさせてあげたいと思う。 そして、自分も、死ぬまでにもう一度、 食べたいという欲望が、お腹の底から湧いてきて。 その魅惑的な味の向こう側をぜひとも知りたいと 思っています。 いま、たま木亭のパンに…

こういうのが食べたい、という気持ち

カフェやレストランで セットを豊かに見せるための、 ほんの申しわけ程度のサラダに がっかりする時代は終わって、 栄養が摂れそうなくらいの量の 野菜をしっかりと食べられる時代が いつのまにか、訪れていたことに 先日、あらためて気がつきました。 メス…

柔らかいサンドイッチ

外でサンドイッチを買うことは、ほとんどないのです。 でも最近、めずらしくリピートしている柔らかいサンドイッチが 2つ、あります。 それは神戸屋キッチンのソフトハースブレッドのサンドイッチ。 正式名称が長いので舌を噛みそうですが、シールによれば …

コシュカでお昼を

昨晩、映画『ミッドナイト・イン・パリ』を観た後の 幸せな余韻に包まれたまま迎えた雨の週末。 出かける途中、遅いお昼を深沢のコシュカで買いました。 秋元さんと奥さんとお母さんと、皆さんお元気で、 わたしのことをおぼえていてくださって、ありがたい…

バゲットのハート

忙しい毎日のくり返しは、ヨガの気持ちで。 どんな状況でもできるだけ、いつもと同じ呼吸を保ち 平静に、起きて、寝て、日々を送っていく。 人と比べずに、高いところから自分を見守る感じで 全体がつながっていることを意識する、ハートのある仕事を。 本日…

パンに合う羊羹

パンにあう羊羹、それとも、ワインに合う羊羹。 羊羹?そう、「ようかん」です。 先日、友人宅にて催されたモヒートを愉しむ会「モヒー党集会」で、 さまざまな料理を味わう至福の時間を過ごしたのですが、そのなかで デザートではなく、最初からおもむろに…

スペイン風居酒屋にて

次世代の日本の食文化発展を担う、 料理と食の仕事の裏方さんたちと スペイン風の居酒屋に行きました。 生ハム、レバーパテ、貝やきのこの香草バター、 ラタトゥイユ、オリーブなど パンにのせておいしい、気さくで小さな料理たち。 こういうところから商品…

ロブションのパンなら……

最近よく、ロブションのパンのおすすめを聞かれます。ヒカリエが大盛況、のようですね。 ヒカリエ限定のパンもあるけれど、ロブションのパンといったら絶対にこれ、とわたしが 思い続けているのは長時間発酵のバゲットです。恵比寿なら、並ばずに買えます。 …

Early Summer Breakfast

きょうは夏日になるそうです。 テーブルの青空も眩しい。 朝は果物中心です。 最近は和製のグレープフルーツのような美生柑、 ゴールデンキウイ、バナナに、ヨーグルトを ゴブレットにいれて、パンの皿に添えます。 今朝のパンは、いま記事を書いている クリ…

ハンバーガーにワイン

久しぶりにゴッサムグリルへ。 お昼に鰻を食べたので、そんなにおなかがすいていない と感じていたのに、一番シンプルなハンバーガー(180g) をとても美味しくいただきました。 ハンバーガーは、しばらくぶりです。 しばらくぶりなら、ゴッサムグリルです。…

おいしいパン屋さんのある町

おいしいパン屋さんのある町はいいなぁ。 隣に、オープンエアのカフェがあったりしたらもう。 昔、飛行機に乗って、そんな町を旅した。 いまは、電車に乗るだけで、いいんだね。 近々、おいしいパン屋さんを取材します。

パン コン トマテ

たしかパン コン トマテと記憶していた。 この食べ方。 先日は上野万梨子さんが、料理をする前に気分が盛り上る アペリティフとして、紹介されていた。 トマトをこすって、塩をパラリ。 実はきのう、頚椎を痛めて一日臥せっておりましたが きょうは起き出し…

Le vigneron

先月のソロモン流、ドミニク・サブロンの榎本さんの回に紹介され、 話題となっていたワインのパンを今朝、いただきました。 朝からこんなに贅沢でいいかな?という素敵なパン。 Le Vigneron (ル・ヴィニュロン:ワインをつくるひと)。 ビオワインが生地にも…

グッドウィークエンドブレッドの週末

きのうのお土産、グッドウィークエンドブレッドは 小麦の外皮だけを取り除いて製粉したシュタインメッツ粉の アンデルセンオリジナルバゲット。仕上げに有塩バターを塗っています。 アンデルセンの直営店にて週末の金土と祝前日だけの販売。 ディナーにおす…

ジンジャーのパン

気持ちのいい春の日の、散歩の帰りにル・プチメックの ニューフェイス、ジンジャーのパンを買って帰りました。 これは、わたしが昔、初めて食べて好きになった ジンジャーのパンに似ている気がして。 ここのところジンジャーの効いたお茶やお菓子やパンに よ…

レモンのパンとりんごのパン

カットすると、レモンの香りがたちのぼった。 「白チョコレートとレモンのセーグル」は 赤のル・プチメックだけにあるパン。 「りんごとアールグレイのパン」の酵母種は 「りんごのタルト・フィン」で使うりんごから作られる。 料理にも、ハムやチーズのサン…

アテスウェイの手土産

午後3時、お茶の時間にアテスウェイのお菓子を持って 訪ねて来る友人は貴重だ。 「これ、パンです」と差し出された紙袋をあけたら 素敵な焼き菓子が。パンでもお菓子でもチョコレートでも なんでも、嬉しい、久しぶりのふたりの笑顔、そして ハジメマシテの…

アンデルセンでお急ぎランチ

気がつけば、to doリストがたまっているのだった。 仕方なく、乗り継ぎの合間にお急ぎランチ@東京駅。 先日、もしもツアーズでお邪魔したアンデルセン。 お笑い芸人さんや、職人集団のようなスタッフとの 面白かった一日がよみがえる。 あたりまえだけれど…

スマート珈琲店のサンドウィッチ

京都で食べたもののなかで、とくに印象に残る、 おいしいサンドウィッチがありました。 焼きたての荒熱のとれた食パンに、指の跡がつかないように ていねいに、ていねいに、つくりたてのまだあたたかい 卵焼きと野菜を挟んだのでしょう。 その瞬間、どういう…

雲のようなナン

読み始めたばかりの『地上の飯 皿めぐり航海記』(中村和恵 著) の冒頭で「お皿の上にちいさな白い雲のようなものがひとつ、 ほわほわと湯気を立てている」と著者は書いている。 これは南インドのイディリという蒸しパンのようなもののこと。 わたしはイデ…

パンのハッピーエンディング

久しぶりにフレンチトーストを作りました。 卵2個、牛乳適量、黒糖ジンジャーパウダー適量 を混ぜたところに、冷凍庫に眠っていたバゲットを 好きなだけ、浸して焼きました。 オーブンで焼くと一度にたくさんできるし、 表面がカリっと焼けた食感もおもしろ…

ポチコロ・サンド

つめたい風の吹く日曜日でしたが、ポチコロベーグルの 小さなお店の中は暖かく、お客さんで賑わっており、 オーブンから出たばかりのホカホカのベーグルが並んでいました。 いつのまにかサンドイッチも始まっていました。 3種類くらいから選んで注文すると、…

栗と柚子のセーグル

大好きなル・プチメックの栗と柚子のセーグル。 パンの名前を書いてあらためて あ、セーグル、と思う。 配合率はさまざまなれど、わたしたちがセーグル、 すなわちライ麦の入ったパンを食べる頻度は、 10年前よりずっと多くなっているはず。 それも、おいし…

まちのパーラー→パーラー江古田

All Aboutのベストパン★2011で 第5位にランクインしていたパーラー江古田の 2号店、まちのパーラーへ行きました。 サンドイッチのパンは何種類もある中から選べます。 チャバタが売り切れだったので、全粒粉のクルミパン を選んで、本日はトマトとペコリーノ…

松仙堂の純栗ペースト

無脱色、という文字が目に新しい。 家でつくるものは無脱色、無着色が基本。 商品化の過程で失われていってしまうものを 守り続ける、というか、あたりまえに 失わずにいるところがなんとも素敵。 ちょっとくらい高価だって、よいのです。 小布施栗と砂糖だ…

デーツとイチジクの甘めのパン

Bread&Circusの「デーツとイチジクの甘めのパン」。 初めて食べたとき、見た目と食感と味のギャップに 新鮮な驚きがあった。それからもう何年も好きなそれは、 名前も個性的なパンです。 早朝のお弁当にして、機上から富士山を見下ろしながら 愉しんだことも…

お正月のジャム

元旦は、おせちとお雑煮から始まりますが 二日目あたりからいつものパンの朝食です。 年末に買ってきてもらっていた、 鎌倉のロミ・ユニ・コンフィチュールのジャムを 年が明けたら開けよう、と楽しみにしていました。 ひとつはお正月のジャム。 レッドカラン…